「合格する」ことや「賞をとる」ことが成功ではない!?
「自分は今まで、賞を逃したことの方が多かった。ノミネートされても賞を勝ちとれる人聞は20%で、残りの80%はとれないのです。この後の食事会でみんなは80%の人たちに、残念だったね、次頑張れば大丈夫と声をかけ、慰めるでしょう。目を合わせないように振る舞う人もいるでしょう。しかし、その人たちは本当に敗者なのでしょうか?そんなわけがありません。彼らは全員、役者になりたいと願い、そして実際に夢を叶えた、やりたいことをやれている成功者なのです」
多くの人は、合格することや賞をとることばかりを「成功」と捉え、それができなけれ
ば「失敗」と決めつけてしまうクセがあります。成功と失敗の捉え方を誤ってしまうと、
能カを伸ばす妨げにしかなりません。
賞をとったり合格したりすることを成功の基準に設定するのは、目安としては単純でわかりやすいでしょう。しかし、こうしたことだけを成功と定めると、自分に才能がないことを恐れて前に踏み出すのを避けてしまいます。手紙をもらった先ほどの学生も、この状態です。
「穴から出るために役立つ」道具を渡すのが親の役割
「挫折も失敗もしない唯一の方法は、挑戦しないこと」という言葉があります。確かにノミネート自体を断っていたら、絶対に落選することはありません。しかし、絶対に賞もとれません。長い人生、目的地に向かって道を歩いていれば、必ず穴に落ちることがあります。でも、穴に落ちたら終わりではないのです。這い上がって、再び歩き出せば済むことなのです。
だから親は、ロープをもたせたり、上りやすいスパイクを履かせたりして、穴から出るために役立つ道具を渡してあげるべきでしょう。そうすれば、子どもは穴に落ちるのが恐くなくなります。
それなのに、道具ももたせず「穴に落ちたら終わりだから注意して」「絶対に穴に落ちてはダメよ」とひたすら教え込む親がいます。これでは子どもが不安になり、前に歩き出せなくなるのも当然です。子どもに様々な体験や学習をさせ、ミスをしたときは「そこから何が学べるか」「どうやったら成長できるか」を考える習慣を教えていきましょう。
自信がなくても行動し、挑戦し続けることが成功だと認識するようになれば、失敗を恐れずにどんどんチャレンジできます。その結果、能力も伸びて、いつの間にか賞をとれているのです。