(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査を体験した人の話や、ネット上にある体験談などを見ていると「税務調査は怖い!」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。税務調査について耳にすることのある話はどこまで信じていいのか、必要以上に怖がらなくて済む対処法などもあれば知りたいところです。税務調査を専門とする税理士法人松本が、税務調査の体験の信頼性や、税務調査を怖がらないで済むためのポイントや対処法などについて解説します。

税務調査の体験で聞かれる具体例

税務調査を実際に体験したことのある人の話として、以下のような事例を聞くことがあります。

 

■「税務調査はある日突然やって来る」⇒ほとんどの場合〈いつ来るか〉は事前にわかる

税務調査は何の前触れもなく、ある日突然調査官がやって来て書類などを押収されるという事例です。税務調査にはいくつかの種類があり、中にはある日突然調査官が店舗や事務所を訪れて税務調査となるケースもゼロではありません。

 

しかし、多くの場合は事前に税務調査に訪れる旨の通知を受ける「任意調査」となるため、いつ調査官の訪問を受けるかは事前にわかる場合がほとんどです。税務調査の事前通知がいつあるかについてはわからないため、税務署からの連絡が突然入るということはあるでしょう。

 

■「白のものを黒と言われ、とにかく脱税を疑われる」⇒基本的には〈疑う理由〉がある

任意調査では、会社の事務所などへ調査官が直接訪れる「実地調査」と、訪問前に税務署内で調査を行ったり、会社や店舗の外観をチェックしたりする「準備調査」に大きく分けられます。つまり、税務署では準備調査の段階で、ある程度疑わしいと思われる点を見つけてから実地調査に入っているということです。

 

調査を受ける側にしてみれば何も心当たりがなかったとしても、税務署から疑われてしまうケースというのがあるのも事実です。たとえば、取引先が不正を働いていたり、新規事業で急激に売上を伸ばしていたりすると「この会社も不正に加担しているのではないか」「申告漏れがあるのでは」という疑いの目を向けられやすいでしょう。また、調査官によっては態度が威圧的だと感じたり、説明をちゃんと聞いてくれていないように感じたりすることがあるかもしれません。

 

税務署側でも「適当な返答やごまかすような態度が続く」「書類管理がずさんで確認しにくい」といった理由などから、必要以上に追及の手が強まる可能性もあります。

 

■「税務調査になったら重い追徴課税がある」⇒ペナルティの重さは事例ごとに異なる

税務調査で申告漏れが発覚し、過去何年も遡って重い追徴課税を受けることになるという話もよく聞かれるものです。

 

税務調査では最低でも過去3年、場合によっては5~7年まで遡って修正申告となるケースもあるため、延滞税や無申告加算税などが数年分まとまって追徴となった場合、その税額が多額となることもあるでしょう。こうした追徴課税は、本来しかるべき時期に適正な申告をしていれば支払う必要のない税金である点は事実です。

 

とはいえ、税務調査でどのくらいの修正申告が発生するかは事例によって異なります。多額の申告漏れや無申告期間などがなく、税理士のサポートなどによって軽微な修正に留まる可能性もあります。

 

このように、税務調査の体験談として聞かれる事例は事実ではあるものの、すべての調査に共通するわけではなくケースバイケースとなります。

税務調査を必要以上に怖がらないためのポイント

税務調査を必要以上に怖がらないためには、以下のポイントを参考にしましょう。

 

■無申告の期間がないようにする

税務署では、申告するべき所得を申告していない無申告状態の把握に努めており、積極的に税務調査の対象としています。税務調査で無申告が発覚すれば、重い追徴課税は免れないと考えた方がよいでしょう。何年も前のことであっても、無申告の期間があるなら早めの申告が大切です。手続きなどをどうしてよいかわからない場合は、税理士事務所などへ相談することをおすすめします。

 

■過去の帳簿を見直す

確定申告が終わった後でも、記帳漏れや計算間違いなどがないか過去の帳簿をチェックすることが大切です。早い段階でミスを見つけて自主申告すれば、税務調査で指摘されるよりも課税額を少なくすることができます。特に売上が大きかった年や新規に事業を始めた、海外取引が増えたといった年度があれば、積極的に見直しをするようにしましょう。また、領収書や請求書といった書類に漏れや抜けがないかもチェックすることをおすすめします。年度をまたいだ仕訳や、本来年内に立てるべき売上が翌年に回るなどの「期ズレ」にも注意が必要です。

まとめ

税務調査の体験談として見かける内容は事実であることも多い反面、業種や地域、申告状況などの影響もあり、実際のところはケースバイケースとなります。税務調査を必要以上に怖がらないためには、税務調査されやすく追徴課税も重い無申告状態を作らないこと、過去の申告漏れやミスについては速やかに自主申告することなどが大切です。無申告の期間をどう手続きすればよいかわからない場合や、無予告調査の可能性があり不安な場合は、税理士事務所へ相談してみることをおすすめします。

 

 

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

 

税理士法人松本

税務調査特化税理士法人として全国6ヵ所(渋谷、錦糸町、新宿、横浜、柏、大阪)にオフィスを構え、“成功報酬型”税務調査サポートを提供する税理士事務所では国内No.1の規模を誇る。国税局に勤めていた、いわゆる「国税OB」が複数名所属。税務調査相談実績は累計1000件以上。一般業種より税務調査が厳しいと言われる風俗業界の税務に10年以上特化し、追加徴税額ゼロ円の実績も多数。

 

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