「レインズ」で優良物件が見つかるのは3ヵ月に1件
安くていい物件は基本、口コミで情報が入ってくることが多いですが、「レインズ」(REINS=Real Estate Information Network Systems)でもいい物件が見つかることがあります。
レインズとは、国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営する、物件情報をまとめたコンピューターネットワークシステムです。会員となっている不動産会社は、レインズに物件情報を登録し、買いたい人や借りたい人を探すことができます。
閲覧できるのは、不動産会社のみです。
筆者の会社にも、レインズ専任の担当者がおり、東京都の3日以内に登録された物件という条件で、中古一棟ものを検索しています。朝から夕方まで、毎日、おびただしい数の物件をチェックするのです。
何日にもわたって登録されている物件もありますし、東京都下・最寄駅から徒歩20分の物件など、さまざまな物件があります。
担当者が一定の条件を満たす物件をピックアップし、筆者がさらにチェックして、これはと思うものをお客様にご紹介します。
ちなみに1,500件の情報があるとすると、約半数はすでに見たことのある情報で、残りの新しい情報から、担当者のフィルターを通るのは20件程度。筆者がお客様に紹介できると思うのは、3ヵ月に1件程度です。
非常に少ない。ですからスピードも必要です。その日の朝にはじめて情報が出て、昼に気がつき、夕方にはもう売れている、ということもあります。
たとえば、ごくたまにですが、ご高齢の方が地元の小さな不動産会社に売却を依頼した物件が、信じられないような価格で登録されているなどのケースがあります。
実例では、港区南麻布に資産家のご婦人が1人で住んでいた豪邸が6億5,000万円で取引されていた例があります。相場では8億円以上の物件です。
すぐにお客様に紹介し、即決で買われましたが、2年後に事業でお金が必要になって売却されました。売却価格は8億円です。
多くはありませんが、そうした例もあるのです。
「売れ残り物件」は「ローン」とセットで売られることも
売れ残っている物件も少なくありません。
魅力がないから売れ残っているわけですが、そうした物件を料理して売る会社もあります。どう料理するかというと、融資を付けるのです。
とにかく不動産投資をしたいと思っているけれど自己資金がないという人にとって、ローンが借りられるのはとても魅力的に見えます。
どんな物件でも賃料収入が入ってくると信じている人には、またとないチャンスと思うでしょう。そうして売れ残っている物件(皆が選択肢から外している収益性のない物件)を買ってしまうのです。
そうした売り方をする業者も、融資を付ける銀行も、罪は重いと思います。
滝島 一統
株式会社光文堂インターナショナル
代表