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「地方郊外・築古・一戸建て」交渉の切り札を揃え…
50代の投資家の中島さん(仮名)は、地方郊外の築古一戸建てをオーナーチェンジで購入しました。閑静な住宅街の物件ですが、駅からも徒歩15分以上で立地が良いとは言い難い物件です。
立地:地方都市の住宅街、最寄駅から徒歩17分
種別:一戸建て(築29年、オーナーチェンジ)
家賃収入:5万円/月
購入額700万円
築古のため建物にはすでに価値がなく、土地値で1000万円程度が相場の物件でしたが、
①周辺の相場よりも安い賃料で貸しているオーナーチェンジ物件であったこと
②建物が古いため近い将来的に解体費用の負担が必要になること
③その地域は土地相場が下落傾向にあり、将来的にも値下がりリスクがあること
④現金で即時購入すること
などを交渉材料にして700万円で購入することに成功しました。
4年後に賃借人が退去したため、建物を解体して土地として販売しましたが、相場が下がっていたこともあり900万円での売却となりました。
それでも、解体費や売却に係った諸費用まで含めて投資額をほぼ回収できました。結果として、4年分の賃料収入から固定資産税などの維持費を差し引いても200万円以上の利益が出た計算です。
結局は、自身で「適正価格」を見極められるかどうか
井上さんと中島さんの違いは何だったのか。それは一言でいうと「適正価格で購入していたか」ということです。
井上さんは確かに一等立地の物件を購入しましたが、明らかに割高で買わされてしまったために大きな損失を出しました。一方で、中島さんが購入したのは一般的にリスクの高いといわれる郊外の物件で、利回りも郊外の築古物件であることを考えれば良いとは言い難い条件でした。しかし、利益を出すうえで適正な価格を自分で判断して購入したことが成功につながったのです。
この2人の例から分かる通り、不動産投資の成功・失敗を分けるのは「適正価格を見極められるか」どうかです。例え一等立地の物件であっても割高で買ってしまえばその時点で含み損が発生します。
不動産投資は「ハイリスク・ハイリターン」
ほかの投資と比較すると、不動産は適正な購入価格を自分で見極める必要があるという点では難易度が高い投資といえます。例えば、株式投資であれば、株価は株式市場でその時点の価格が決まっています。同じ時間に同じ会社の株を買えばだれでも同じ価格で購入することになるわけです。
一方で、不動産はあくまでも「売主が売りたい価格」で販売されているため、それが相場と比較して適正なのかは自分で判断しなければなりません。しかも少ない自己資金でローンを組むと、極めて高いレバレッジをかけたのと同じ状態になるため、ハイリスク・ハイリターンになりがちです。
そのため、将来どのくらいの値下がりリスクがあるのか、家賃相場はどのくらいか、維持費や将来売却にかかる諸費用はどのくらいかかるか、それらを総合的に判断して適正な購入価格かどうかを自分で判断する目を養う必要があるのです。そうでないと井上さんのように「高い勉強代」を払う羽目になりかねません。
加藤 康介
ライフソレイユ株式会社 取締役
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