不動産投資の失敗には、さまざまな原因とパターンがあるが…
筆者はこれまでに、不動産投資の失敗で人生が大きく狂ってしまった多くの人たちと会い、話を聞いてきました。購入した物件の種別はさまざまで、一棟アパート、ワンルーム、戸建て賃貸、シェアハウスなど、共通点はありません。また、購入した物件の地域も、地方や郊外のみならず、首都圏の一等地の物件を購入して大きな損失を出した方もいます。
つまり、どのような種類の物件、もしくはどのようなエリアの物件を購入しても、失敗する可能性はあるということです。逆にいえば、どんな物件を購入すれば失敗しづらいといった、必勝パターンも存在しないといえます。
「一等地の物件、資産性が高くリスクも低いと聞いたのに!」
上場企業の会社員だった佐藤さん(仮名)は、将来のために資産運用を考え、不動産投資のセミナーに参加しました。そこで、セミナー主催者の不動産会社から「首都圏の駅近物件は値下がりしづらいので、長期的な資産性が高くリスクも低い」という説明を受け、後日その不動産会社に紹介されたワンルームマンションを、ローンを組んで2部屋購入しました。
しかし、その不動産会社から提案されたシミュレーション通りの収益がなかなか上がらなかったことから不安になり、早めに手放そうと考え、購入してから2年後に複数の会社へ売却の査定を依頼出しました。その結果、2部屋合計5600万円で購入したマンションが、どんなに高く見積もっても4800万円にしかならないという査定結果となりました。
「長期的に値下がりしづらい」と考えて購入した一等地の物件でしたが、購入後わずか2年で800万円以上も値下がりしてしまったのです。
「どうしてこんなことになったのでしょう。値下がりしづらいと聞いていたのに!」
怒り心頭の佐藤さんでしたが、早めに損切りすることを決断。売却しても返しきれなかったローンは自己資金で補填し、不動産投資から足を洗うことにしました。
郊外の築古戸建「高利回り」に目がくらんだ結果…
不動産投資の中級者~上級者に人気があるのが、郊外の築古の戸建てです。郊外の築古物件は購入費を低く抑えられるため、それをリフォームして賃貸することで、高い利回りが見込めるというスキームです。
しかし、高い「想定利回り」に惑わされてリスクを見落とし、失敗する方も少なくありません。
定年退職した鈴木さん(仮名)は、退職金を運用しようと不動産投資を始めました。退職して時間もあったことから、物件の修繕もある程度自分で行えばコストを抑えられると考え、郊外にある築古の安い戸建て不動産会社に探してもらい、購入しました。購入した物件のリフォームは、一部を専門の業者に委託し、残りは時間をかけて自分で行ったといいます。
リフォーム後、当初は想定した通りの月6万円の賃料で貸すことができ、十分な利回りが確保できました。しかしその後、建物が古かったことから雨漏りを繰り返し、家賃収入のほとんどを修繕に充てなくてはならない状況に陥りました。
郊外の築古戸建ては見かけ上の利回りが高いですが、家賃収入の額自体は大きくないことから、大きな修繕が必要になると、一発で家賃収入を吹き飛ばすほどのコストが必要になります。そのため、そのリスクをあらかじめ想定したうえで投資しないと、失敗する可能性が高くなります。
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