※画像はイメージです/PIXTA

不動産投資を成功させ、富裕層の仲間入りを果たす人がいる一方、失敗して全財産を失うばかりか、返しきれない負債を背負い込み、自己破産に追い込まれる人も少なくありません。投資意欲を掻き立てる明るい情報の陰に、悲惨なケースが多数実在することはぜひとも知っておくべきだといえます。近年急増している不動産投資の失敗パターンから問題点を解説します。

「ワンルーム投資のワナ」にはまるサラリーマン

近年、ワンルームマンション投資についての相談が急増しています。なかでも多いのが「サブリース付き・新築ワンルーム投資」に関するものです。

 

ワンルームは、1軒あたりの価格が一棟アパート等に比べて低いため、一般のサラリーマンでも融資審査が通りやすいのが特徴です。また、購入と同時にサブリース契約を締結することで、家賃が確実に入ってくるという安心感があります。

 

しかし、それを逆手に取り、不動産投資の初心者をカモにしている業者があるのも事実です。

 

その手口は、サブリースだから絶対安心・将来の年金代や生命保険代わりに・全額ローンで組めるから自己資金不要…といった甘い言葉を謳い文句とし、相場よりも明らかに高い価格で自社の新築物件を購入させるというものです。収支シミュレーションもずさんで、楽観的な数値が並べられていました。

 

田中さん(仮名)は、物件を購入したあとに割高だと気づき、「すぐにでも売却したい、手放したい」と筆者のもとに駆け込んできました。しかし、2000万円で買った物件がどう見積もっても1400万円でしか売れないという、悲惨な状況でした。

 

これは決して珍しいことではありません。

 

多くの方は「リスク分散」という口車に乗せられ、2部屋以上まとめて購入しています。すべて損切りして売却するために、残念ながら1000万円以上の自己資金を投入せざるを得なかった方もいました。

資産家の財産も吹き飛ぶ「一棟アパート投資の失敗」

医者等の富裕層に多いのが、一棟アパートのなど規模の大きい不動産投資による失敗です。億単位の投資になると一般のサラリーマンでは融資が通りづらいことから、医者や経営者などの富裕層が狙われるのですが、一棟物件になると金額が大きいため、失敗したときの損失も大きくなります。

 

高橋さん(仮名)は大学病院の勤務医でした。アパートを2棟保有していましたが、ローンが1.2億円以上残っており、毎月の家賃収入よりも返済額のほうがはるかに大きい状態でした。また、築古だったため建物の修繕費もかさみ、年間では数百万円単位でキャッシュフローがマイナスになっていました。明らかに割高で買わされた結果です。

 

結局、これ以上保有し続けるのは難しいという結論に至り、物件を任意売却することになりました。しかし、2物件で8000万円にしかならず、4000万円以上の残債が残ったため、最終的には弁護士を介入させて債務整理を行うしかありませんでした。結果として、負債も大幅に減額できましたが、資産の多くも失うこととなりました。

 

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