〈不動産投資〉一等地1Rマンションで500万円の損失、地方郊外築古が200万円で利益…「結局、適正価格の問題に行き着く」【プロが解説】

〈不動産投資〉一等地1Rマンションで500万円の損失、地方郊外築古が200万円で利益…「結局、適正価格の問題に行き着く」【プロが解説】
※画像はイメージです/PIXTA

不動産投資は一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」とされていますが、現実は甘くなく、満足できる成果を得られる投資家ばかりではありません。一般的に好条件といわれる物件を購入しても、手痛い損失を被ることがあるのです。実情を探ります。

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    山手線内側一等地、好条件の1Rマンションのはずが…

    30代の会社員の井上さん(仮名)は、老後のための資産運用として都内のワンルームマンションを購入しました。不動産会社のセミナーに参加し、「駅近の物件は将来的に価格が落ちづらく資産性が高い」という説明を信じ、その不動産会社が販売している新築物件をいわれるがままローンを組んで購入したのです。

     

    【井上さんが購入した物件】

     立地:東京23区内(山手線の内側の一等立地、最寄駅から徒歩4分)
     種別:新築ワンルームマンション
     家賃収入:12万円/月(新築当初)
     購入額:3600万円

     

    井上さんが購入した物件は、山手線の内側の人気エリアで、駅からも徒歩4分と好条件に見えました。井上さんも「この立地なら絶対大丈夫だろう」と安心して購入したといいます。

     

    しかし、購入直後は想定していた通りの賃料で貸し出すことができましたが、新築時の最初の2年で入居者が退去すると、もう次の入居者からは家賃を落とさないと入居が決まらないという状況に陥りました。

     

    家賃収入よりもローンの返済額の方が大きくなってしまい、固定資産税や管理費・修繕積立金などのコスト負担も大きかったことから、これ以上は続けられないと思った井上さんは、売却して手放す決断をしました。

     

    しかし、複数の不動産会社に査定をしたところ、驚くべき回答が返ってきました。まだローンが3400万円以上残っているのに、一番高い不動産会社の査定結果でも3000万円にしかならなかったのです。

     

    井上さんは悩んだ挙句、ローンとの差損を自己資金で補填して売却することを決意します。「このまま持ち続けるのは精神的にも苦しい」というのが決断の理由でした。

     

    購入時からのマイナス収支や売却時の諸費用なども含めると、最終的にはトータルで500万円以上の赤字を出したことになりました。

     

    井上さんは次のように振り返ります。

     

    「浅はかな知識で大きな買い物をしてしまいました。当時は不動産を所有するということにステータスを感じて自分に酔っていたんだと思います。おかげで高い勉強料を払わされました。でもずっと持ち続けて不安な生活を続けるよりは、損切りしてでも足を洗えてよかったと思っています」

     

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