“倉庫を捨てたら”社員のサボりが改善。…余分な土地建物を「捨てた」会社が得た“多くの成果”

“倉庫を捨てたら”社員のサボりが改善。…余分な土地建物を「捨てた」会社が得た“多くの成果”
※画像はイメージです/PIXTA

所有している土地建物でも、それを有効活用していないとコストがかかるばかりです。そのうえ維持するための労力が必要となり、社員や所有者に負荷をかけてしまいます。企業の経営者や個人事業主向けに、経営の一方策として「捨てる」ことの重要性を問う本連載。組織変革プロデューサー・小早祥一郎氏著書の『8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営 (捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)』(スタンダーズ)より、一部抜粋して紹介します。本稿では、余分な土地建物を捨てるメリットについて、事例を交えて解説します。

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土地建物への執着が意識改革を阻む

いっぽう、「この土地は、わが社にとって象徴だから」というようなこだわりが、かえって足かせになることもあります。

 

かつて私が勤めていた日産自動車(株)は、東京の銀座に本社ビルを所有していました。そこには、総務部門や企画部門をはじめ、社長室や役員室が並んでいました。「日産と言えば銀座」と言われていましたが、そのせいで、トップ層が技術開発や生産工場などの現場から遠ざかり、現場を軽視する風土を作ってしまいました。

 

そうした現場軽視の風土が、それまでの経営危機を招いた一因でもありました。リストラの一環として、本社ビルを売却し、賃貸して使い続けるリースバックが行われました。今まで通り本社機能はこのビルの中に残ったので、実務上は何の変化もないのですが、日産が銀座の本社ビルを売却したというのは衝撃的で、大きなニュースとなりました。

 

売却の目的は、単純に現金を捻出するためのものでしたが、副次的な効果として、「リストラに聖域はない」というメッセージを発することができたのです。

誰のための土地建物か

経営者の方々と、活用していない土地の話をしていると、「先祖代々の土地なので、手放すことはできない」というような話を聞くこともあります。

 

しかし、それが有効活用されていないとしたら、ご先祖様も喜ぶでしょうか。先代がその土地を残してくれたのだって、引き継ぐ人間のためになるように、と願ってのことのはずです。もしその土地建物を所有することが、現在の経営にとって足手まといになるのであれば、きっとご先祖様や先代も、手放すことに賛成してくれるはずです。

 

土地も建物も、今、そこに生きている人たちのためにあるのです。

 

〈まとめ〉

有効活用していない土地建物を捨てることで、そこにかかる無駄な労力を削減することができ、本来集中すべきことに集中できる。

 

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8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営(捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)

8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営(捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)

小早 祥一郎

スタンダーズ

「社長、まず捨ててください」 「モノ」「情報」「壁」「商品・資産」「人間関係」「しがらみ」…会社にムダなものがなくなると、びっくりするほど業績が上がる! 「増やす」「加える」ではなく「捨てる」という逆転発想の成…

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