社長業は“総合格闘技”…転職で「社長」になる人が「想像力」や「感性」にも富んでいるワケ

社長業は“総合格闘技”…転職で「社長」になる人が「想像力」や「感性」にも富んでいるワケ
(写真はイメージです/PIXTA)

社長招聘の求人が水面下で活発に動いています。外部からダイレクトに社長が招聘されるのは事業投資ファンドが絡んでいるケースが多く、主にはその投資先企業における「事業再生」と「後継」がテーマです。とくに最近は「後継」テーマのものが増えています。本稿では株式会社経営者JPの代表取締役・CEOの井上和幸氏が、社長採用ではどのような人が選ばれるのかについて解説します。

社長に求められるのはロジカルな思考力

某・投資ファンドの役員は、投資先企業の社長候補として面接したA氏について次のようにコメントしました。

 

「たしかに現場力に溢れていて、泥臭い仕事も粘り強くやってくれるとは思うのだけれど…」

 

A氏は当該投資先企業と同種の事業責任者経験を持ち、停滞していた事業を粘り強く再成長させた実績の持ち主でした。

 

その経験と手腕に注目して実施された面接では、配下の社員たちを動かす力と取引先顧客と密なコミュニケーションを図る動きについて、高い評価を得ることができました。しかし、事業の状況や顧客群の状況、戦略と実行評価などの話になると、パッと具体的な話が出てこず、形容詞や抽象的な説明ばかりになってしまったとその役員はいいます。

 

その結果、経営状況や打ち手の進捗について、経営陣へのレポーティングやディスカッションを行っていくのは難しいとジャッジされてしまったのです。

 

社長として抜擢される候補者に求められるのは、経営執行にあたってロジカルに状況を把握し、打ち手を組み立て説明できる力です。

 

とくにファンドが投資する先の企業における経営者の場合、投資元であるファンド側とのコミュニケーションも非常に重要です。そしてファンド側とのコミュニケーションでは、ロジカルで端的な会話のキャッチボールができるかどうかを問われることが多く、高度な論理力が求められます。

 

ファンド側の人たちは、コミュニケーションの部分で負荷がかかるような人を投資先企業の社長や経営陣には置きたくないのです。

 

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