「働くことが好き」「老後のお金が必要」という理由から、定年後も働き続けたいと考える人が増えています。しかし、シニア世代が再就職を目指すのは簡単なことではありません。本記事では、日本総合研究所創発戦略センタースペシャリストの小島明子氏が、定年後の再就職先の探し方や定年後の失業給付のしくみについて、詳しく解説します。

定年後に受け取れる「失業給付」の仕組み

会社員が離職した後、働く意思と能力を持って、求職活動を行っているにもかかわらず就職できない場合に、雇用保険の失業給付(基本手当)が支給されます。これは、定年退職をした人も同様です。定年まで一生懸命働いてきた女性であれば、きちんと手続を行うことで、失業給付を受け取ることができるのです。

 

失業給付(基本手当)を受給するためには、離職前の2年間の被保険者期間が12ヵ月以上(倒産・解雇等の理由により離職した場合は離職前の1年間に被保険者期間が6ヵ月以上でも受給資格を取得します)必要になります(被保険者であった期間のうち、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月を被保険者期間1ヵ月として計算します)。

 

失業給付(基本手当)の支給を受けることができる日数(所定給付日数)は、受給資格に係る離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間(算定基礎期間)や離職理由等によって決定されます。倒産や解雇の場合は、一般の離職者に比べると、制度が手厚くなっています。

 

60歳以上65歳未満、定年退職で辞め、20年以上雇用保険に加入をしている場合、給付日数は最大で150日となります。

 

このほか、雇用保険の失業等の給付の就職促進給付のうち、就業促進手当として、再就職手当や就業促進定着手当、就業手当があります。詳しくは、ハローワークインターネットサービス※4で概要を確認することができます。

 

※4 ※1を参照

 

 

小島 明子

日本総合研究所創発戦略センター

スペシャリスト

 

※本連載は、小島明子氏の著書『女性と定年』(金融財政事情研究会)より一部を抜粋・再編集したものです。

女性と定年

女性と定年

小島 明子

金融財政事情研究会

◆女性の「定年」に実践的なヒントを提供。 ◆日本では、今後、定年を迎える女性が増加。 ◆これから定年を迎える女性たちを取り巻く現状をデータにより分析。 ◆明るい定年後を送るため、今から定年を見据えたキャリアを考…

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