社会全体で増える中高年社員
男性同様に増える定年女性ですが、労働人口の減少に伴い、特に中高年社員は働き手として期待されています。国立社会保障・人口問題研究所(※1)によれば、日本の生産年齢人口(15〜64歳の人口)は、1995年の8,726万人をピークに減少し続け、2015年には7,728万人となっています。
将来の生産年齢人口は、出生中位推計によれば、2029年、2040年、2056年には、それぞれ7,000万人、6,000万人、5,000万人を割り、2065年には、4,529万人になることが指摘されています。労働人口という視点でみれば、人手が不足する傾向というのは今後も続くのです。
マイナビ(※2)によれば、勤め先でシニア層を採用している業種としては、警備・交通誘導(セキュリティー・設備工事等)、介護、接客・販売(コンビニ・スーパー)、清掃(ビル管理・メンテナンス)が約7割を超えています。現状、人手が不足していて、シニア層であっても採用したいと希望する業種は、体力を必要とする業種を中心にニーズが高いことがわかります。
平均寿命という点で考えれば、日本人の平均寿命は延びており、男性で81.47年、女性で87.57年であり(※3)、国際的に比べて、相対的に平均寿命は長いこともわかっています。今後も医療技術が進歩する可能性を踏まえれば、定年というのはキャリアの終点ではなく、中間点になるといえます。
寿命の長さと労働力の不足という観点から、自分が好む仕事に就けるか、という視点を置いておけば、定年を迎えた女性であっても、労働力としては求められる可能性が高いのです(図表1、図表2)。
※1 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 平成29年度推計」。
※2 シニア採用に関する業種別企業調査(マイナビ調べ)。
※3 厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」。