(※写真はイメージです/PIXTA)

フランチャイズとは、本部が加盟店にブランド名や商品、サービスを取り扱う権利、また経営ノウハウやビジネスモデルを提供し、加盟店が本部に加盟金やロイヤリティを支払うシステムのことです。日々の生活のなかでもコンビニエンスストアやファストフード店をはじめ、カー用品やベーカリー、清掃や学習塾などフランチャイズ化されたビジネスは多岐にわたります。本記事ではビジネスのフランチャイズ化について、仕組み経営株式会社の取締役・清水直樹氏が詳しく解説します。

フランチャイズ本部構築の原則

実際のフランチャイズ本部構築の方法をご説明する前に、前提となる原則をご紹介します。下記原則を念頭に置かずにフランチャイズ化に踏み込むと、失敗の可能性が高まります。

 

充分な収益を上げられる「フランチャイズ・ユニット」の確立

これは当たり前の話なのですが、まず最初に充分な利益が上がるような店舗を作らなくてはいけません。繁盛店をフランチャイズ化するから意味があるわけで、儲かっていないビジネスを広げていっても、儲からないビジネスがどんどん増えるだけで悪循環にはまってしまいます。

 

本部機能の整備

フランチャイズ・ユニットの急速な増大を可能にする本部機能を整備します。これがまさに本部の仕組みづくりの部分になります。

 

消費者ニーズの変化に対応したシステムの革新

フランチャイズ化にはビジネスが一気に広がる可能性がありますが、ビジネスの規模が拡大することで変化に弱くなるという、組織としての習性もあるわけです。それを防ぐために、柔軟にシステムを変えられる体制や文化をつくっていく必要があります。

 

小規模での成功事例をつくる

フランチャイズの基本的なルールとして、「3ショップ2イヤールール」というものがあります。要は「3店舗で2年」というルールですが、まず直営店舗を3店舗出し、それを2年継続してきちんと儲かる体制を作って、そこから加盟店を集めるというルールです。

 

なぜ3店舗かというと、1店舗目が繁盛したとしても、成功の理由が立地なのか、店長の人柄なのか、商圏が合っていたのかが明確ではないからです。そこで別々の場所に直営店舗を3店舗出してみるわけです。そこでも成功すれば、そのビジネスモデル自体に強みがあって差別化できているという根拠になるので、そこからほかの加盟店を集めていくというのが原則になります。

 

――3ショップ2イヤールールはもう古い?

しかし最近ではこの原則が当てはまらないケースが多くなっています。世の中の情報スピードが速くなったため、1店舗目で成功したビジネスモデルを、資本力のある会社が盗用して先にフランチャイズ展開するようなケースがあるからです。ですから、最近は0期生を募集して、その人たちと一緒にフランチャイズのシステムをつくっていくことが、成功させるために大切な考え方になってきています。

 

加盟店は同志である

かつては「フランチャイズ化して加盟金をもらって儲けよう」とだけ考える経営者もいて、結果的にフランチャイズビジネスに対するイメージが悪化したということもありました。しかし、本来は「自分たちが持っている素晴らしい商品やサービスを多くの人に広めて、人々の生活を豊かにしよう」という理念を加盟店と共有し、同志となることが大切なのです。

 

本部・加盟店間の情報はオープンにする

以前は本部が決めたことを加盟店が実行するだけという、いわゆるチェーンストアシステムが主流でした。しかし最近では、現場でお客様に接している人が一番情報を持っているということで、フラットな関係性を築いて、情報もオープンにして一緒にやっていくという考え方が大切になっています。加盟店の成功例やアイディアを本部がブラッシュアップしてほかの加盟店にも共有していくことで、継続的に発展できるシステムが生まれるわけです。

 

加盟店が成功してこそ本部が成功する、加盟金よりロイヤリティが重要

フランチャイズというビジネスモデルにおいては、本部はいかに加盟店からのロイヤリティを増やすかということに注力しなくてはいけません。加盟店が儲かれば本部も儲かるわけですから、加盟店を積極的に支援しないとそれは実現できないのです。ロイヤリティが自分たちの収入源だと考え、本部と加盟店が両方潤うモデルをつくっていくわけです。

 

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