(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2023年7月28日に公開したレポートを転載したものです。

景気後退の懸念が薄らぎ、株高の流れが強まる

そもそも景気後退を招くと予想された理由の最たるものがFRBのハイペースの金融引き締めだった。最大の理由がもはや無くなろうとしているのだから景気後退そのものへの懸念も薄らいで当然だろう。

 

ダウ平均連騰の背景について、ここまでは米国のファンダメンタルズの面からみてきた。しかし、これだけの記録的な続伸には、もっと大きな意味が示唆されているように思う。

 

僕たちマネックス証券が、「日経平均3万円への道」というキャンペーンを開始したのは2017年10月27日。日経平均が史上最長となる16連騰を演じた3日後のことであった。「3万円への道」完結編で、僕はこう述べている。

 

16連騰。そこにわれわれが見たものは大きな変化の予兆であった。株価は経済の先行きを映す鏡である。止まらぬ相場上昇を目の当たりにして、われわれは日本の経済と株式市場が大きな転換点を迎えているという確信を抱いた。これまでとは違う。日本は変わってきている。そう感じる点はいくつもあった。

 

株価は経済の先行きを映す鏡―株式相場が記録的な上昇を演じるとき、そこには経済や社会の大きな変化が反映される。僕はそう思う。

 

3年前、人類は新型コロナウイルスによるパンデミックに襲われた。実際に罹患した人々の苦しみや感染を防ぐための行動制限などさまざまな厳しい体験を経て、ようやくいま、世界はコロナを克服できたとしてよいだろう。残るコロナの後始末は、パンデミックによる供給制約が招いたインフレの抑制である。

 

しかし、それもようやく目途が立ち始めた。その証拠が欧米の利上げが最終フェーズに入ったことである。利上げが終われば、経済はまた次の成長サイクルに移行するだろう。そのタイミングでAIを中心とした新しいテクノロジーが隆興し、世界を激変させる予兆を感じさせている。

 

こうした大きな転換点で起きたNYダウの13連騰だ。実は欧州でも同様だ。欧州中央銀行(ECB)の利上げに打ち止め期待が台頭している。7月27日の金融政策の発表後にユーロ安と金利低下が進み、欧州の主要600社で構成する株価指数「ストックス600」は前日比1.3%高の471.74と2022年2月以来の水準に上昇した。

 

世界で株高の流れが強まってきている。

 

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