日銀のYCC柔軟化が些細な材料に思える理由
そうしたなかで日銀のYCC(イールドカーブ・コントロール)柔軟化を受けて、日本時間では株も為替も乱高下が起きた。経済・社会の大きな転換期を反映して世界の株式市場が上向きになっているときに、日銀のYCC柔軟化などという材料はあまりにも小さい。どうでもいい、つまらない話だが、一応、見解を述べておく。
日銀はここで一気に1%まで長期金利の上昇を許容したのだから当分、政策の変更はないだろう。日本の長期金利が1%を超えてどんどん上昇するような状況にはないからだ。本格的に政策金利を動かすのは、来春の賃金上昇を確認してからになるはずだ。
日経平均は一時800円安まで急落したが、その後、急速に下げ渋り、結局131円安で引けた。メディアでは日銀ショックなどの言葉が躍るが、ショックでもなんでもない。日銀の政策変更に絡む投機とそれが引き起こした市場の混乱も半日で終了したと思われる。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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