どんどん拡大し続ける「貧富の差」
2019年から2021年にかけての純金融資産保有額は、富裕層では9.7%、超富裕層では8.2%増加、総額は333~364兆円にも上ります。
30年という長きにわたり日本はデフレ経済に苦しみ、今なお完全にはデフレから脱却できていない状況ですが、この間に経済的格差はどんどん広がったのです。
OECD(経済協力開発機構)の統計では、日本の富裕層の世帯数が増加していることは明らかですが、世界水準から見ればまだそれほどではない。日本の富裕層の数は先進7ヵ国の中でもそれほど多くはありません。
富裕層が日本のGDPに占める割合はおよそ17%。日本国民の全金融資産の中で、富裕層が占める資産の総額は約16%~17%ですが、アメリカやG7などの先進国では、最上位を占めるたった1%ほどの超富裕層の資産総額が、全体の約4割を占めるようなところもあります。欧米先進国では、それほど富の格差、経済的格差が拡がっているのです。
日本の超富裕層の占める割合はまだアメリカの水準の3分の1程度。しかし、これから日本でもアメリカ並みに格差が広がっていくことは間違いないと思います。なぜなら、日本も確実にインフレに向かっているからです。
この数年で見れば、投資をしていた人としていない人の差はまだ大きく開いていないかもしれませんが、これからはもうそれではすまないでしょう。この点をまず第一に力説しておかなければなりません。
日本の未来は先行するアメリカを見れば明らか
現在より格差が拡がれば取り返すことのできない、取り戻すことのできない生活レベルの低下を招くことになりかねません。
強烈な金融と資産の格差は、短期的には2023年からの3年間、長期的にはこれから5~10年間で大きく拡大すると予測できます。
アメリカではすでにお金持ちと貧乏人のボーダーラインが明確に線引きされています。貧困から成り上がって勝ち組に残れる確率、アメリカンドリームをまだ夢見ることができる可能性は極めて低くなっています。
プロのスポーツ選手やアーティスト、俳優など、夢のようなチャンスと運に恵まれたひと握りの人しか成功できない、そんな現実にすでに直面しています。そうしたプロセスでしか成功も富も得ることはできない。それほど格差は拡がっている。
幸運にも日本はまだそこまでは行っていません。お金持ちになれるチャンスはまだ残されている。これからの3年間が重要な節目になることは間違いありません。2023年から2025年までの約3年間が、資産形成のラストチャンスになるかもしれない。
なぜなら、この3年間で格差が致命的に拡がる恐れがあるからです。
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