(※写真はイメージです/PIXTA)

都心の新築マンション価格が高止まりするなか、23区では住民基本台帳で比較可能な2014年以降、初の「転出超過」を記録しました。こうしたなか、近畿大学世界経済研究所の客員教授で投資家・ストラテジストの菅下清廣氏は、すでにアメリカで起きている「家賃高騰現象」を例に挙げ、高まるインフレリスクに警鐘を鳴らします。では、こうしたリスクから身を守るにはどうすればいいのでしょうか、みていきます。

「資産インフレ」の影響で新築マンションが軒並み高騰

新築マンションの価格が高騰しています。タワーマンションなど高級マンション価格はウナギ登り。典型的な資産インフレ相場が不動産市況に到来しています。「もう分譲マンションはあきらめて賃貸にする」というファミリーには家賃の値上げが追い打ちをかけている状況です。

 

庶民は東京23区内に住めなくなる!?

50平米の東京・西巣鴨の賃貸マンションの家賃が10万円から15万円に跳ね上がったと、新聞報道にありました。新築マンションの高騰で購入者が減れば、市場原理で賃貸マンションの家賃も値上がりする。そうなるともう東京都内には住みにくくなり、神奈川、埼玉、千葉へと人口は流れます。

 

実際、東京への転入者数は約42万人、転出者数は41万人(2021年)と、転入者数がまだ多いですが、東京23区に限れば、転出者数が転入者数を1万5,000人上回り、初めて転出超過になっています。

 

転出者は神奈川(約9万6,000人)、埼玉(約7万8,000人)、千葉(約5万8,000人)と東京都の隣接県に流れている。当然、こうした家賃の値上げ現象もアメリカでは先行して起きていました。

 

アメリカで先行して起きていた「家賃高騰現象」

IT産業のメッカ、シリコンバレーでは家賃の高騰が止まりません。そのために家賃の安い隣接する地域へ引っ越しする人が続出しています。あのテスラの大富豪イーロン・マスクでさえ「家賃が高い」とカリフォルニア州からテキサス州へ引っ越しました。

 

なぜ金持ちのイーロン・マスクさえ引越しするのか。テスラの社員たちが家賃高騰に悲鳴を上げ住めなくなったからです。「テスラは本社と将来のプログラムをテキサス州ネバダに移動する」イーロン・マスクは宣言しています。

 

住宅という日常生活の最重要かつ基本のインフラにおいても、こうした厳しい現実があります。だからこそ今、インフレリスクに対して、株式投資などで資産形成してヘッジしなければなりません。

 

次ページ株式投資の「ラストチャンス」かもしれない

※本連載は、菅下清廣氏による著書『2023-2024 資産はこの「黄金株」で殖やしなさい! 日本株大復活』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

2023-2024 資産はこの「黄金株」で殖やしなさい! 日本株大復活

2023-2024 資産はこの「黄金株」で殖やしなさい! 日本株大復活

菅下 清廣

実務教育出版

ロシアのウクライナ侵攻によって石油・天然ガスなどエネルギー・素材価格が高騰。欧米では前年比10%超のインフレが続き、FRB(米国準備制度理事会)は利上げにかじを切った。 強硬な金融引締政策が行われた結果、コロナバブ…

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