日本株底上げのきっかけとなった「コロナショック」
海運株(日本郵船、商船三井、川崎汽船など)や商社株(三菱商事、三井物産など)、銀行株(三菱UFJ、みずほフィナンシャルグループなど)を長く保有していた人たちは資産が飛躍的に増加しています。海運大手3社の株価は、この数年で何倍にもなりました。
日本株の底上げがついに現実のものとなってきました。底上げ開始のインフレ相場がはじまっているのです。
ではこの“底上げ開始”相場の出発点はどこか。
それは3年前の2020年3月に起こったコロナショック。FRB(アメリカ連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)、そして日本銀行が足並み揃えて大規模な金融緩和政策を実行したため、市場に溢れた資金は投機マネーとなってあらゆる資産投資へと流れ込みました。資産インフレへのはじまりです。
中でも過去最大の経済対策を打ち出したアメリカは、その波及効果、副作用も大きく、アメリカ経済は猛烈なインフレに直面しています。
2020年からはじまったコロナによる緊急事態の経済政策の継続が、それぞれの国で資産インフレを助長させていることは否めません。その結果、資産を持てる者と持たざる者の差がさらに拡大しているのです。貧困層と富裕層との格差拡大、貧富の差がさらに鮮明になってきました。
2020~2023年の3年あまり、現金を銀行や郵便局に預けたまま、あるいはタンス預金をしたままだった人々は、ほとんど資産は増えていないでしょう。むしろ目減りしているはず。しかしアセット(有価証券などの金融資産)を持っていた人は、お金持ちになっているのです。
コロナ禍以降、「超富裕層」が増えている
野村證券の最新のレポートでは、富裕層とは、グロス(負債も含めた資産の総額)ではなく、ネット(純資産)で1億円以上5億円未満の金融資産を持つ人、と定義しています。
そして超富裕層とは、ネットの金融資産が5億円以上ある人です。実はこの超富裕層の世帯数がコロナ禍以降増えているという事実がある。
一般的には驚きの現象かもしれませんが、私はこれまでの著作や講演で、また私が管理運営している音声配信サービス「スガシタボイス」の会員さんには何度も予告して来た通りの出来事が現実になってきたのです。
しかも富裕層、超富裕層とも資産はコロナ禍で減るどころか、むしろ増えている。つまり彼らの保有していた株式などの資産価値が大きく上昇したのです。
そしてこの間投資をして資産運用していた富裕層の候補である準富裕層が、富裕層に格上げ。同様に富裕層だった人々の一部は超富裕層にステージアップした結果と推察できます。
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社
代表取締役社長
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