▲トップへ戻る
PL、BSの数字を整理して銀行の評価を高める方法

今回は、PL、BSの数字を整理して銀行の評価を高める方法を説明します。 ※本連載は、株式会社ビーワンフードの代表取締役で、公認会計士・税理士の廣瀬好伸氏の著書、『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、飲食店経営に欠かせない「銀行からの資金調達」について解説します。

決算書の「書き方」を意識している人は少ない

前回の続きです。決算書の内容は格付けに大きく影響するものなのですが、その割に、決算書の内容に関心が薄い経営者が世の中にはとても多いようです。たとえば、気付かぬうちに評価の下がるような書き方をしている場合もあります。

 

【Case Study】決算書の書き方

AさんとBさんは、ともに5店舗の居酒屋を経営しています。近々7店舗まで増やすために、設備資金を銀行から借り入れようと考えており、融資の申請に必要な決算書など関連資料の準備をしています。

 

Aさんの場合

Aさんのお店は5店舗ともに経営は順調だったので、これまでもお付き合いのある銀行にプロパー融資を相談することにしました。税理士に決算書を揃えてもらって提出したところ、なんとか融資を受けることはできましたが、返済期間や金利の条件は、Aさんの予想よりも厳しいものでした。

 

その後、7店舗に広げたAさんは、月々の返済が厳しく資金繰りに苦労することになりました。

 

Bさんの場合

Bさんは銀行に融資を申請する前に「本当にこの決算でいいのかな」と考え、決算書が完成する前にコンサルティング会社に相談しました。そして、格付けのシミュレーションをおこなってみると、Bさんの会社の格付けは6と判定されました。そこで決算書の内容をもう一度見直してみたところ、PL、BSの数字の書き方をもっと見映えよくできることがわかったのです。

 

問題点を修正した内容でもう一度シミュレーションしてみると、格付けが6から5に上がり、Bさんは自信をもって銀行に融資を申請することができました。その後、無事によい条件で融資を受けることができ、7店舗とも経営は順調です。

 

うまくいく人、いかない人。そこには「決算書の書き方」の壁がありました。

実態は同じでも「魅せ方」次第で銀行評価は変わる

Aさんのお店も経営は順調なようでしたが、実は決算書の内容をよく把握できていなかったのかもしれません。Bさんのように、事前に決算書を見直していれば、現状の問題点もわかり、もっとよい条件で借り入れできる可能性もあったでしょう。一方のBさんは、決算書を見直して銀行の格付けを上げることに成功しました。数字の書き方を変えることで、決算書の見映えがよくなったのです。

 

私はこのような見映えのよい決算書のことを“魅せる”決算書と呼んでいます。「決算書の書き方なんてみんな同じ」と思っているかもしれませんが、実はとても重要なのです。

 

たとえば、あなたの目の前にカルボナーラパスタを盛りつけたお皿が2つ並べて置いてあると想像してみてください。1つのお皿にはパスタが美しく盛りつけられていて、もう1つは乱暴にただお皿に移しただけだとしたら、あなたはどちらを選ぶでしょうか。

 

材料は同じ。作り方も、作った人も同じだとすると、盛りつけ方が違っても同じ味がするはずです。でも、美しく盛りつけられているほうがおいしそうに見えませんか? そちらのほうを食べたいと思いますよね?

 

銀行に提出する決算書も、このカルボナーラパスタと同様に、実態が同じでもやはり盛り付けがきれいなほうがいいのです。どちらかというと、銀行もそちらを食べたい(=融資したい)と思うものです。銀行がお金を貸したいと思うような会社は、決算書に記載された数字もやはりきれいだと思います。

 

言い換えれば、現状はそれほどよい評価ではない決算書も、ちょっと盛り付けを工夫すると、銀行が貸したいと思う決算書に変わるかもしれません。実際、少し手を入れただけで金利が1%くらい下がったという会社もありました。

 

誤解しないでいただきたいのですが、これは「粉飾しましょう」と言っているわけでは決してありません。あくまで正しい処理を前提に、よりよく、より正しく見せる(魅せる)ほうがいいだろうということです。そして、魅せる方法はたくさんあるということをみなさんに知っていただきたいのです。

 

Bさんのように、決算書のPL、BSの数字を正しく整理しただけで、“魅せる”決算書に変わるケースはよく見受けられます。みなさんもぜひ、決算書を完成させる前に「本当に、この書き方が一番よいのか」を検討してみてください。内容を吟味し、より“魅せる”決算書となるような工夫をしていただきたいと思います。

株式会社ビーワンフード 代表取締役
公認会計士・税理士 

兵庫県姫路市生まれ。
京都大学在学中に公認会計士試験に合格し、あずさ監査法人に入社。主に銀行の監査に従事し、銀行の融資ルールを実地で学ぶ。
その後起業し、その経験・ノウハウと公認会計士・税理士というノウハウで、飲食業に特化した「お金の専門家」として飲食店の成長をお金の面から支える株式会社ビーワンフードとベンチャー企業・中小企業の成長を税務面から支える「財務に強い」税理士法人ミライト・パートナーズを経営。
自らも飲食店を経営した経験があり、現場目線でのわかりやすい解説にも定評がある。
また、飲食店経営者・店長向けに「資金調達力アップ」「銀行融資のルール」「店長の数字力アップ」などのセミナー・研修を多く実施している。

著者紹介

連載飲食店の多店舗経営を成功させる資金調達のノウハウ

本連載は、2015年11月20日刊行の書籍『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

1店舗から多店舗展開  飲食店経営成功バイブル

1店舗から多店舗展開  飲食店経営成功バイブル

廣瀬 好伸

合同フォレスト

10年後まで生き残れる飲食店は、わずか1割!生き残るためには何が必要か。 ・いつも金策に走り回っている! ・売上はソコソコなのにお金が貯まらない! ・銀行の融資がなかなか通らない! こんな飲食店経営者に、財務と税務の…

 

生命保険活用セミナーのご案内 参加無料 主催:カメハメハ倶楽部

生命保険を活用した相続対策&事業承継対策

~実践編

講師 吉永秀史氏
日時 2018年10月23日(火)
内容

※本セミナーでは、銀行や証券会社、店舗型保険代理店、一社専属代理店、

また医師会やMR出身の保険代理店などからは提供されない情報を多数ご用意しております。

 

会場 幻冬舎本社ビル内 セミナー会場

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧