民間の医療保険に入っていなくても「無保険」ではない
同様に、医療保険も入るかどうかも慎重に考えるべきです。
多くの人は誤解しているようですが、民間の医療保険というのは別に治療費をまかなうためのものではありません。治療費をまかなうのは公的な医療保険、つまり会社員であれば健康保険組合などであり、自営業の人などは国民健康保険です。一度自分の給与明細を見るとわかると思いますが、健康保険料としてかなりのお金が引かれているはずです。これが病気になった時のための保険料です。
では、民間の医療保険というのは、一体何のためにあるのでしょう? それは公的な医療保険ではカバーできない部分をまかなうためです。
具体的に言えば、入院した時の食事代、同じく入院して個室に移る場合の差額ベッド料、そして病院に通うためのタクシー代といった部分です。これらは公的な医療保険ではカバーされません。でも、よく考えてみてください。 これらの費用は貯金があれば何の問題もありません。
それに、治療費に関しても公的医療保険には「高額療養費制度」というのがありますから、入院して高額になったとしても自分が負担する治療費はせいぜい10万円に満たないぐらいです。
さらに言えば、大企業に勤める人であれば自社の健康保険組合があり、独自の「付加給付」がある場合もあります。この場合、企業によって金額は違いますが、多くは自己負担の上限が2万円とか3万円と定められています。この場合、どんなに医療費がかかっても自分が負担する金額はその金額までですから、民間の医療保険に入る必要は全くありません。
実際、民間の医療保険が国内の保険会社で販売されるようになったのは2000年頃からです。だとすれば、それまで病気になった人はどうしていたのでしょうか? 決して治療が受けられなかったわけではありません。公的な医療保険でカバーされていたのです。
民間の医療保険に入っていないからといって無保険というわけではありませんし、心配する必要は全くないのです。
公的医療保険が適用されない…「先進医療」への備えは必要?
最近では、高度先進医療にお金がかかるので医療保険に入った方がいいという意見も多く聞かれます。たしかに高度先進医療には公的医療保険が適用されません。でも、これは順序が逆なのです。
なぜ高度先進医療に公的医療保険が適用されないのかを考えてみましょう。それは、その治療の効果が確認されていない実験的なものだからです。十分な効果が見込まれるものであれば、公的医療保険が適用されるはずです。
患者さんにしてみれば、藁をもつかむ気持ちで、実験的な治療でも試してみたいという気持ちはよくわかります。でも、お医者さんによっては、そういう治療を勧めない、あるいはやりたくないという人もいるでしょう。
なぜなら失敗する可能性も大きいし、そうなった場合、最悪、医療訴訟ということも考えられるからです。実際に私の友人には何人も医師がいますが、一様に高度先進医療には慎重な姿勢です。
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