P/Lでは資金繰りに影響する「支出部分」が見えない
P/L(損益計算書)図1だけでは、財務の状況がわからない、ということに、お気づきいただけたでしょうか。
【図1 P/L(損益計算書)】
B/S(貸借対照表)には、P/Lでは見えないけれども、おカネを必要とする項目があるのです。在庫、土地、投資、借入、などですね。資金繰りで行き詰まる多くは、これらの項目が原因です。中小企業の場合、その生命線は結局、カネが回るか回らないか、です。つまりは、資金繰りなのです。
その資金繰りに最も大きな影響を及ぼすのが、毎月の返済や、在庫を抱えた分の支払いなど、なのです。ところが、P/L思考では、ここが見えないのです。
”私はB/Sしか見ていません”
”P/Lは見ても、私には役に立ちません”
そう断言される経営者にも、たくさんお会いしました。その人たちは常に、”どうすればもっと強い財務体質になれるだろうか?”ということを、本気で意識しておられます。そして、P/Lは、黄色信号か赤信号にならない限り、チェックはしても、重箱の隅までつつくようなことはしないのです。
P/Lは、経営幹部たちに任せているのです。そして、当の自分は、B/S面積グラフを常々眺めているのです。
B/Sグラフなら、カネ回りが悪い原因を見つけられる
経営を進めるうえで、その根っことなる、カネや資産や負債の状況は、B/Sでしかわかりません。そして、それをさらに見やすくしたものが、井上式B/S面積グラフなのです。(図2)B/Sのどこをどうするかによって、カネ回りは劇的に改善されてゆきます。その具体例は書籍『経営者の財務力を一気にアップさせる本〔補訂版〕』にて説明させていただきます。
【図2 井上式B/S面積グラフ】
B/S思考の経営こそが、キャッシュを生み出します。より多くのキャッシュが残り、財務体質が強ければこそ、いかなるときにも、打てる手立てがあるのです。B/S面積グラフは、キャッシュフロー経営を支える、強い味方なのです。
財務に強い会社にしたいなら、B/Sの現状を常に把握しておこう!そのために、B/Sをグラフ化し、ビジュアルでとらえよう!