(※写真はイメージです/PIXTA)

もし、一家の大黒柱が亡くなったら、生計を維持してもらっていた家族が路頭に迷わないための「遺族年金」の制度があります。どのような受給条件があり、いくら受け取れるのでしょうか。司法書士の岡信太郎氏、税理士の本村健一郎氏、社会保険労務士の岡本圭史氏が監修した『改訂新版 身内が亡くなったあとの「手続」と「相続」』(三笠書房)から、事例を交え紹介します。

一家の大黒柱が亡くなったとき遺族は「遺族年金」を受給できる

年金の受給停止や未支給年金の手続がすんだら、「遺族年金」の申請をしましょう。

 

遺族年金は、遺族なら誰でも受けられる、というわけではありません。

 

受給できるのは、原則的に、故人に生計を維持されていた家族です。将来にわたり、遺族が年収850万円を得られない場合、故人が亡くなったときに年収が850万円以上あっても、5年以内に850万円未満になると認められた場合は、受給資格が得られます。

 

ほかにも、子どもの有無など、さまざまな条件があります。

 

遺族年金は、故人が加入していた年金によって、受給できるものが異なります。

 

故人が国民年金に加入していた場合は「遺族基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の双方が得られます。

 

もし、遺族年金の受給条件を満たしていなくても、国民年金の場合は「寡婦年金」か「死亡一時金」を受給できることがあります。また、厚生年金の場合は、「中高齢寡婦加算」や「経過的寡婦加算」が加算されることがあります。

 

[図表1]は、遺族ができる年金や一時金の種類をまとめたものです。

 

[図表1]遺族ができる年金や一時金の種類

故人が国民年金加入者なら遺族は年間79.5万円+αを受給できる

遺族基礎年金は、故人が国民年金に加入していた場合に、遺族に支払われる遺族年金です([図表2]参照)。

 

[図表2]「遺族基礎年金」を受給できる人の条件

 

故人が国民年金保険料を支払っていたか、すでに老齢基礎年金の受給資格を満たしていた場合に、受給する権利が得られます。

 

遺族基礎年金を受け取ることができるのは、子どものいる故人の配偶者か、故人の子どものいずれかです。

 

子どもの場合は18歳の年度末まであるいは20歳未満の障害1・2級でいずれも未婚であることなどの条件があります。

 

金額は、子どものある配偶者の場合は、年間79万5,000円+子どもの加算額(人数ぶん)。また、子どもの場合は、年間79万5,000円+子の加算額(人数ぶん。2人目以降から)を、子どもの人数で割った額が、子どもたちに支給されます。子どもの加算額は、1人目と2人目の場合は22万8,700円、3人目以降が7万6200円です。

 

以上の金額は2023年4月から適用されていますが、たびたび変更があるので、その都度確認するようにしてください。


申請は、遺族基礎年金のみに該当する場合は市区町村役場、それ以外の場合は最寄りの年金事務所か街の年金相談センターに対し、年金請求書等の必要書類を提出して行います([図表3]参照)。

 

[図表3]「遺族基礎年金・遺族厚生年金」の申請方法

 

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改訂新版 身内が亡くなったあとの「手続」と「相続」

改訂新版 身内が亡くなったあとの「手続」と「相続」

岡 信太郎・本村 健一郎・岡本 圭史

三笠書房

「何から手をつければいいかわからない…」 「スムーズにいかず気持ちが焦る」 多くの相談者から寄せられる言葉です。 実際、葬儀後にはやるべきことがたくさんあります。 ◆不動産、株式や投資信託などの相続は? ◆…

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