カナダの看護師の給与形態
カナダの看護師の待遇は、福利厚生が充実しており、給料の面でも非常に魅力的です。ドクターよりは稼ぎは劣りますが、日本の勤務医くらいの給与水準になります。例えば、私が働いているブリティッシュコロンビア州では、初任給で約700万円程度もらえます。日本看護協会の「2022年病院看護実態調査報告書」によると、日本の初任給は約230万円から300万円程度です。
カナダの看護師は基本的に時給制で働いており、フルタイム勤務の場合、4日働いて5日休みというサイクルで、年収は時給と働いた日数によって計算されます。
カナダでは、看護師の組合が行政と5年ごとに給与見直しを行い、福利厚生も改善されています。現在も報酬額が決まる段階にあり、コロナの影響でこれまで生活が困難になっていたことも考慮し、賃上げ交渉が行われています。組合のメンバーも元々は看護師であり、現在も看護師のために尽力しています。
昇給は経験年数に応じて10段階で行われ、管理職になると役職報酬もあります。ただし、ボーナスは存在しません。代わりに、病院で働かない日にも給料が支給される制度があります。月に1回程度、働いていない日でも給料が支給される日があります。これは有給休暇とは異なる制度です。看護師の勤務先は、地域のクリニックや総合病院などさまざまですが、総合病院で働く看護師の給料の方が若干高い印象はあります。
「看護」の仕事だけに集中できる
職務内容も日本とは大きく異なります。日本だと患者の輸送や採血、掃除など、看護業務以外のこともやらなければならないのですが、カナダではその必要は一切ありません。これらの業務は専門のスタッフが担当しており、看護師は「看護」の仕事だけに集中できます。
また、勤務人数の割り振りも異なります。カナダでは日勤と夜勤があり、どちらも同じ人数です。日本では日勤が多く夜勤が少ない傾向にあると思います。
さらに、こちらに来る前から聞いてはいたのですが、4日働いて5日休みという勤務形態がしっかりと実施されています。1日の勤務時間は12時間です。有給休暇は1年で大体6週間ほどあり、ブリティッシュコロンビア州の労働法では、勤続年数に応じて有給休暇の日数が増えます。私の場合は現在、6週間の有給休暇を取得しています。
30年以上働いた人の場合は2ヵ月以上の有給休暇があります。また、ブリティッシュコロンビア州の場合ですが、福利厚生に無料で利用できるマッサージも含まれており、私も夜勤の後は体を整えるために必ずマッサージに行っています。