(※写真はイメージです/PIXTA)

日本の教育システムに疑問を持ったり、早い段階から子供に国際教養を身につけたりして欲しいという思いから「教育移住」という言葉が認知され始めています。そしてカナダのバンクーバーは安全面や教育環境のよさから、留学や移住の候補地として根強い人気を誇りますが、最近増えているという「親子留学」を行う場合には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか? バンクーバーを拠点とする留学エージェントの会社AN WESTHILL EDUCATIONAL CONSULTING(LIVE YOUR LIFE)代表の西岡彩氏に、カナダのKM Pacific Investments Inc.代表取締役の枡田耕治氏がインタビュー。16年以上現地で海外留学と教育移住に携わる専門家が、子供の留学をきっかけにした家族での海外移住について説明します。

子供の留学をきっかけにした「教育移住」

単身留学も多いのですが、最近増えている親子移住や教育留学ではよくあるパターンは大きく分けて2つあります。

 

1.子供の留学に親がついてくる

2.親が学校に行けば子供の教育費が無料になる制度を活用し移住する

 

(1)子供の留学に親がついてくる

子供がカナダの現地校に就学ビザを持って通学し、親は子供の海外生活をサポートするために帯同する、というパターンです。

 

1年目は子供が先に単身留学に来て、一人での生活が大変そうだから2年目からはお母さんも渡加して生活面をサポートするというケースも今までありました。その場合、親が一時的ではなくそのまま3年、5年と子供の教育に合わせてこちらに滞在する場合もありますが、その場合には観光ビザを延長して滞在します。

 

公立学校の授業料のみであれば年間160万〜180万円ほどになります。

 

(2)親が学校に行けば子供の教育費が無料になる制度を活用する

仮に公立の小学校で子供一人あたり年間160万円の授業料とすると、小学校を卒業するまでに1,000万円近い授業料がかかります。

 

しかし、親も一緒にカナダの語学学校と2年制大学にいくことで、子供は現地の公立校に無料で通うことが出来るというシステムが存在します。

 

親子移住に人気のバンクーバーはBC州にありますが、そこでの滞在可能期間で考えると親は1年間の語学学校、2年間の大学、3年間の就労ビザで合計6年間はカナダに滞在でき、尚且つその間は子供達の学費も免除になります。子供が複数いる場合にはトータル的にも費用の負担は少なくなります。

 

そして、親は語学学校で英語を学び、大学で専門スキルを学んで就職すれば永住権獲得にも繋がりますので、そのように家族での移住を含めたライフプランニングを見据えている人もいます。

「海外留学」、生活費はどうするのか?

もちろん、親が永住権なしで学校に通う場合に、子供の授業料が免除になるには一定の条件があり、その条件は州によっても異なります。

 

ただし、子供の学費が無料になるとはいえ、バンクーバーの物価も決して安くはないので年間約300万〜400万円の生活費はかかります。大学に通う2年間はアルバイトはできますが、やはりある程度のまとまった予算が必要で、最終的にはそのまま移住を希望する家族も多いです。

 

昔に比べて、カナダへの単身の中高校留学や親と一緒に来る親子留学を希望する人は確実に増えています。

 

日本でも、子供に日本以外で教育を受けさせたい、英語や文化、国際教養を学ばせたいと考える親が増え、「教育移住」という言葉が少しずつ浸透してきていますが、インターネットには正しくない情報やアップデートされていない情報も多いです。現地でしか得られない情報は多くあるので、そうした現地のコネクションを得られるかどうかが、親子留学成功の鍵となりそうです。

※留学に関する情報は常時更新されていますので、最新の情報については必ず専門家にご相談ください。

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