総務省と経済産業省による『経済センサス活動調査』によると、日本には367万もの会社があり日本標準産業分類で大きく20の業種に区分されます。業界ごとに、取り巻く環境はさまざま。それぞれの業界のトップ企業と、給与事情についてみていきましょう。今回、焦点を当てるのは「鉄道」。

コロナ禍で大きく売り上げを落とした鉄道業界

コロナ禍による外出の自粛やテレワークの普及、訪日外国人の激減によって、2020年度に大きく売り上げを落とした鉄道業界。国土交通省のまとめによると、19年度にはJR・私鉄を合わせて年間251億人だった旅客数は20年度には176億人と、30%程度落ち込みました。

 

その後、21年度は旅客数を188億人まで戻しました。22年10月には水際対策の緩和の影響で訪日外国人が戻り始め、また23年5月にコロナウイルスが5類認定されたことで、出張やレジャーでの人の往来が増えており、旅客数・売上高ともに回復が見込まれています。

 

そんな鉄道業界で売り上げ上位を占めるのは、首都圏を営業エリアとする「JR東日本」と東海道新幹線がドル箱の「JR東海」、山陽新幹線を有する「JR西日本」の3社です。

 

この3社について、まずは直近の有価証券報告書から、運輸事業の売上高をみていきます。

 

【JR3社・売上高】

 

1位:JR東日本 2兆4,055億円 
※第36期有価証券報告書

 

2位:JR東海 1兆4,002億円
※第36期有価証券報告書

 

3位:JR西日本 1兆3,955億円
※第36期有価証券報告書

 

3社の売上高は、JR東日本が2兆4,055億円で首位に立ちました。東海道新幹線の運輸収入が前期比67.2%増となったJR東海が1兆4,002億円で2位、僅差でJR西日本が3位になりました。

 

続いては、この3社の給与事情をみていきます。売上高では2位だったJR東海が平均年収709万円と、3位のJR西日本とは100万円以上の差をつけて1位になりました。

 

■JR東海
709万7,843円

(従業員:18,727人、平均年齢:36.4歳、平均勤続年数:15.5年)
 

■JR東日本
676万5,485円

(従業員:41,147人、平均年齢:38.3歳、平均勤続年数:15.7年)


■JR西日本
596万5,060円

(従業員:21,727人、平均年齢:38.1歳、平均勤続年数:14.9年)

 

 

 

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