バブル崩壊、スキーブームの終焉…リゾマンが“負動産”に
スキーブームが去ったことで、旅先でスキーに明け暮れていた若者たちの興味はあっという間に新たなスポットへと移っていきました。それにともない、リゾートマンションの需要も急低下。貸し出し収入が減少してしまいました。
さらに、周辺地域の開発計画が変更となったことも佐藤さんに大打撃。当初予定されていた高速道路の建設が見送られた結果アクセスが悪くなり、不動産の価値も下落してしまったのです。
佐藤さんは、「このままではまずい」と売却を考えましたが、市場には同じような状況の人ばかり。結果的にリゾートマンションを手放すことができず、大きな損失を被ることになったのです。
このマンションの“負動産※”化は、佐藤さんの老後にも大きな影響を与えました。本来ならば退職金や年金収入、貯蓄と並び、この投資により得られたお金で安定した老後生活を送るはずでしたが、その収入源が減ってしまいました。
※ 「負動産」……需要が少ないために売却が難しく、固定資産税や管理のための費用など所有者に金銭的な負担がかかってしまう不動産のこと。
購入時6,000万円だったマンションも、現在の売り出し価格は600万円。10分の1の価格設定にしても買い手はつきません。その一方、管理費や固定資産税、ローンなどを合わせると、支払い総額はおよそ1億円にのぼります。
ローンはまもなく完済となりますが、その後も管理費や固定資産税で年間約60万円を払い続けなければなりません。
老後はいっそ居住用にして自分たちが住むという選択肢もありますが、すでに過疎化の進んだその地域はいまさら住むにはあまりにも不便で、都内の暮らしに慣れてしまった佐藤さんにとって現実的な選択ではありません。
売ることも、貸すことも、住むこともできないまま、固定費だけがかさむという悪循環となってしまっています。
佐藤さんの健康面にも暗雲が…
現役時代、高年収をキープしていた佐藤さんですが、その背景には重い責任と慢性化した長時間労働がありました。そのストレスは徐々に体を蝕み、高血圧や心臓病、糖尿病といった生活習慣病の一歩手前まで来ています。退職前に行った人間ドックは厳しい結果だったようです。
長時間労働やプレッシャーの高い職務は、心身に大きな負担をかけます。これが原因となって入院や手術が必要になった場合、高額な医療費がかかることも。そうなると、老後の資金計画に大きな影響をおよぼすのです。
また、仮に佐藤さんがいまの状況のまま亡くなってしまった場合、財産とともに先述したリゾートマンションも相続しなければならず、残された奥様やご家族に多大な負担をかけることが予想されます。
「このままだと破産するかもしれない」と心配になった佐藤さんは、FP事務所に相談に訪れました。
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