住宅ローンの支払いは想像以上に生活を圧迫する
ローンを組むことについて、若いうちだと「なんとかなるだろう」と軽く考えがちです。しかし、私もローンを10年払っていますが、あと20年と考えると「長いなあ」と感じます。
長く賃貸住宅に住んでいた人が4000万円の家を見たら、素晴らしさに目がくらんでしまうこともあります。それで勢いで買ってしまって、後になって愕然としたというケースも多いのです。
私の知人が結婚して、29歳くらいでマンションを買いました。久しぶりに会って聞いたら、子どもが生まれたそうです。にもかかわらず、「最近、仕事が忙しくてほとんど家に帰ってないんですよね」と言うのです。
どういうことかと尋ねると、つい1年前にマンションを買ったばかりなのに、「妻が一戸建てが欲しいと言うんです。子どもがいる家族は一戸建てに住むべきだと。それで残業を増やしているんです」ということでした。
彼は、ローンがなければどれだけラクか、と思っていることでしょう。どんなに嫌な仕事でも、ローンがあることで辞められなくなってしまっているからです。
1%を下回る変動型の金利は魅力的だが・・・
ローンを組む際の注意点として、金利の動向が挙げられます。ここをしっかり勉強し、ローンを組むベストタイミングを見極めましょう。
ローンの金利には変動型と固定型があります。
変動型は政策金利によって変わるものです。最近はデフレが長く続いたので、変動型の金利が1%を下回っています。ですから、先ほどの例のような固定型金利2%で借りるより、変動型のほうが魅力的に映ります。
ただし、物価が上がれば政策金利も上昇するので、後になって固定金利にしておけば良かった、というケースもあり得ます。
途中で変動型から固定型に、あるいはその逆に切り替えることもできますが、そのタイミングをいつにするか見定めるのは難しいものです。しっかりと時代を見据えて、勉強しましょう。
たとえば、今なら固定金利は1%台です(2015年3月時点)。これほど低い金利というのは、おそらくこれまでなかったはずです。金融機関から変動金利を勧められた場合でも、1%台であるならば、固定金利のほうが絶対にオトクです。
こうして見てくると、先行きが不透明なこの時代、住宅ローンの問題は、人生最大のリスクともいえます。しかし、逆にいえば、ローンの問題を解決しさえすれば、お金の問題の8割くらいは解決するのです。