80代・両親が「200万円」の詐欺被害に。なぜ慎重な父が…?高齢者詐欺の“リアルな実態”【介護ヘルパーの資格を持つ弁護士が解説】

80代・両親が「200万円」の詐欺被害に。なぜ慎重な父が…?高齢者詐欺の“リアルな実態”【介護ヘルパーの資格を持つ弁護士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

親の介護が始まった。突然のことなのでどこへ行けばいいのか分からない…。介護保険の手続きは? 親が施設への入居を拒んだら? 親が施設で虐待を受けてしまったら…。など、介護を受けている本人とその介護をする家族のための「介護で困ったときの解決法」を、弁護士で介護ヘルパーの資格を持つ、外岡潤氏の著書『弁護士 外岡潤が教える親の介護で困った時の介護トラブル解決法』(本の泉社)から一部抜粋転載して紹介します。

80代・両親が勝手に200万円のソーラーパネルを購入…

親御さんとは離れて暮らしているCさんのケースです。

 

ご両親はそれぞれ80歳前後、Cさんの家から電車で30分程度の場所に住んでいますが、まだまだ元気だと思っていたので、普段はそれほど頻繁に行き来することはなかったと言います。

 

電話したとき、たまにお父さんとの会話がチグハグだったり、お母さんに何か聞いてもポイントがずれた答えが返ってきたりするのが気になってはいましたが、認知症というほどではないと思い、特に口出しはしませんでした。

 

しかし、久しぶりに実家を覗いてみたら、屋根一面にソーラーパネルが貼られていてびっくりした。と、慌てて相談に来られました。

 

よく聞くと、家を訪ねてきた販売員の人に「家計節約と環境のために」とすすめられて200万円で契約したとのこと。契約はひと月も前だったのでクーリングオフは効かず、結局そのままになりましたが、Cさんは「なぜ一言の相談もなしにそんな高いものを」と訝しがります。

 

「以前の慎重な父ならば、そんなことは絶対にしなかったはず。これも加齢による衰えなのかもしれません。振り込め詐欺の手口が巧妙化しているということもニュースなどで聞きますし、今後のことを考えて、何か手立てを打っておきたいのですが」ということでした。

 

このような話はよく聞きます。高額な浄水器、家のリフォーム、高級羽毛布団など、詐欺まがいの商法もあり、特に高齢者が狙われています。

 

もちろんあらかじめ気をつけておくべきですが、離れて暮らしている場合、「気がついたときには取り返しがつかなかった」というケースも少なくありません。

 

もしも引っかかってしまったら、まずはクーリングオフできるかどうかを確認しましょう。これは高齢者に限らず、誰にでも適応される制度です。

 

けれども期間制限などの条件もありますので、その場合には民法の「詐欺」や 「錯誤無効」、「強迫」、 意思無能力などの規定に基づいて、契約を破棄する方法を考えることになります。

 

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弁護士 外岡潤が教える親の介護で困った時の介護トラブル解決法

弁護士 外岡潤が教える親の介護で困った時の介護トラブル解決法

外岡 潤

本の泉社

親の介護が始まった。突然のことなのでどこへ行けばいいの?介護保険の手続きは?親が施設への入居を拒んだら?親が施設で虐待を受けている!?訴えたら勝てる? など、介護を受けている本人とその介護をする家族のための介護…

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