80代・両親が勝手に200万円のソーラーパネルを購入…
親御さんとは離れて暮らしているCさんのケースです。
ご両親はそれぞれ80歳前後、Cさんの家から電車で30分程度の場所に住んでいますが、まだまだ元気だと思っていたので、普段はそれほど頻繁に行き来することはなかったと言います。
電話したとき、たまにお父さんとの会話がチグハグだったり、お母さんに何か聞いてもポイントがずれた答えが返ってきたりするのが気になってはいましたが、認知症というほどではないと思い、特に口出しはしませんでした。
しかし、久しぶりに実家を覗いてみたら、屋根一面にソーラーパネルが貼られていてびっくりした。と、慌てて相談に来られました。
よく聞くと、家を訪ねてきた販売員の人に「家計節約と環境のために」とすすめられて200万円で契約したとのこと。契約はひと月も前だったのでクーリングオフ※は効かず、結局そのままになりましたが、Cさんは「なぜ一言の相談もなしにそんな高いものを」と訝しがります。
「以前の慎重な父ならば、そんなことは絶対にしなかったはず。これも加齢による衰えなのかもしれません。振り込め詐欺の手口が巧妙化しているということもニュースなどで聞きますし、今後のことを考えて、何か手立てを打っておきたいのですが」ということでした。
このような話はよく聞きます。高額な浄水器、家のリフォーム、高級羽毛布団など、詐欺まがいの商法もあり、特に高齢者が狙われています。
もちろんあらかじめ気をつけておくべきですが、離れて暮らしている場合、「気がついたときには取り返しがつかなかった」というケースも少なくありません。
もしも引っかかってしまったら、まずはクーリングオフできるかどうかを確認しましょう。これは高齢者に限らず、誰にでも適応される制度です。
けれども期間制限などの条件もありますので、その場合には民法の「詐欺」や 「錯誤無効」、「強迫」、 意思無能力などの規定に基づいて、契約を破棄する方法を考えることになります。