経常利益を上げるために経営者がやるべき3つのことをさらに細分化
①粗利を上げる
粗利とは、売上から変動費を引いた残りの利益のことです。つまり、粗利を上げるためには、売上を上げるか、仕入れや外注費などの変動費を下げる必要があります。
さらに細かく分解すると、売上を上げるためには①客数を増やす、②客単価を上げる、③お客様のリピート率を増やすのいずれかが必要になります。売上高はこの3つのかけ算で成り立っているので、3つのうちのどれか、あるいは全部を上げれば、売上が上がるということです。
また、変動費を下げるために仕入れや外注費などを見直して、原価率を下げるのも1つの手段です。
②固定費を減らす
固定費については、大きく2つに分けられます。1つは「人件費」、もう1つは「その他固定費」です。
人数を減らすのも1つの策ですが、その他にも有効な策があります。たとえば、売ることが得意な社員を売れる部署に異動させる配置転換をする、無駄な残業がないかをチェックする、基本給や手当の給与体系の見直し等です。
「その他固定費」に関しては、販促費や家賃、通信費など、必要不可欠かつ毎月かかるだけに、つい当たり前のように使ってしまいがちなコストです。最低年に1回は無駄がないか総点検していきましょう。
③営業外で利益を上げる
意外に忘れがちなのが「営業外で利益を上げること」です。営業外、つまり本業以外の収入や支出のことです。たとえば、保有している不動産から入ってくる賃料などです。
「営業外でも稼ぎましょうという」提案をすると「いやいや、本業以外で稼ぐなんて邪道ですよ」なんてことを言う真面目な社長もいます。ですが、本業以外で数100万円の収入があったらいかがでしょう?
決算が始まると、企業は「ヨーイドン」で自分のもつ資金を商品や土地に変えて、利益を上げにいくわけです。その「ヨーイドン」でスタートした時に、ゼロから始まる会社とすでに数100万円の収入がある会社、どちらが楽だと思いますか? 当然、後者ですよね。
単に「楽をしろ」と言っている訳ではありません。その数100万円の余力があれば新しいチャレンジができます。多少失敗して200~300万円の赤字を出したとしても、「ちょっとやってみるか」とまた新しいビジネスを生み出すことができます。「新しい事業を開拓して、利益を増やす」実際に、私のクライアントさんはこれをやってきました。
ぜひ、経営者(の仕事)として「雑収入や営業外の利益を増やせないかな?」ということを考えてみてください。
また、営業外の支出として銀行借入の金利があります。金利は一筋縄では減らせないものです。ですがROAを上げていくと、銀行金利が下がる可能性があります。貸す側になってみて考えてください。利回りの低い会社に高い金利でお金を貸すのは、怖いですよね? 返してくれないかもしれないですから。
でもROAが高ければ、銀行は「今まで2%だった金利を1.8%に下げられますよ」と提案することもあります。どちらが先の「鶏卵の話」にはなりますが、金利を下げるためにはROAを上げていくのが得策です。