(※写真はイメージです/PIXTA)

法定後見制度とは、認知症などによって判断能力がなくなったり不十分となったりした本人の代わりに、財産管理や契約などを行う「成年後見人」などを選任する制度です。似た制度として、「任意後見制度」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか? Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説します。

「任意後見制度」の利用方法・手続きの流れ

任意後見制度の利用方法と手続きの流れは、次のとおりです。

 

なお、先ほども解説したように、任意後見制度を利用するには、本人が十分な判断能力を有していることが大前提とされます。そのため、本人がすでに判断能力を失っている場合には、任意後見制度を利用することはできません。

 

本人と任意後見人候補者とで相談をする

任意後見制度を利用するには、まずは本人と任意後見人候補者との間で、制度利用について相談しましょう。本人がいくら「この人に任意後見人を引き受けて欲しい」と希望しても、その相手に断られてしまえば、制度の利用はできないためです。

 

同様に、家族がいくら「自分を任意後見人として選んで欲しい」と希望しても、本人にその気がなければ、制度を利用することはできません。

 

専門家に相談する

本人と候補者の間で制度利用についてある程度合意ができたら、弁護士などの専門家に相談しましょう。専門家への相談は、任意後見制度利用の必須条件ではありません。ただし、制度の利用には注意点が少なくないため、制度を正しく理解するためにも、あらかじめ専門家へ相談した方がよいでしょう。相談には、任意後見制度を利用したい本人と任意後見人の候補者が共に出向くとスムーズです。

 

内容を検討する

任意後見制度の場合には、ある程度自由に後見人に委任する事務の内容を決めることができます。そのため、専門家に相談しながら、任意後見契約の内容を検討しましょう。

 

公正証書で契約を締結する

任意後見契約を有効なものとするためには、公正証書で作成しなければなりません。そのため、最終的には本人と任意後見人の候補者がともに公証役場へ出向き、公正証書で任意後見契約を締結します。なお、任意後見契約は、将来本人の判断能力が衰えた際に発効するものであるため、契約締結時点では、まだ後見人の事務は発生しません。

 

任意後見契約を発効させるには、本人の判断能力が衰えた段階で、別途、家庭裁判所に対して、「任意後見監督人」の選任申し立てをすることが必要です。この任意後見監督人が選任された時点から、任意後見人の職務がスタートします。

 

ただし、任意後見契約の締結と併せて、「判断能力は衰えていないものの急に入院をすることになった際」などに備え、通常の委任契約を締結することは可能です。この委任契約の発効時期は当人同士で自由に決めることができるため、契約締結時点から発効させることもできます。

 

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※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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