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人口増の「松濤」…街のポテンシャルは?
では「松濤」の可能性を探っていきましょう。
松濤には1丁目と2丁目があり、街の総人口は3,355人。人口密度は11,569人/k㎡と、渋谷区全体(16,140.5人/k㎡)からみると、ゆったりとした街であることがわかります。とくに1丁目の人口密度は7,767.7人/km²と低く、これは田園調布や成城といった郊外の高級住宅街と同等です。
まずは2020年の国勢調査から、住民の特性をみていきます。
松濤の人口3,355人のうち、男性は1,575人、女性は1780人、世帯数は1,709。5年前調査と比較して、人口は8.8%増。年齢区分別にみると、0~14歳が14.4%増、15~64歳が3.9%増、65歳以上が10.7%増えています(図表1)。
世帯の状況をみていくと、一般世帯は1,709世帯。単身者世帯の割合は地区全体では54.2%ほどですが、2丁目が55.4%とわずかに高くなっています。また持ち家率は、地区全体では61.0%。こちらは1丁目54.2%、2丁目65.6%と差が開きました(図表2)。
次に直近の不動産取引についてみていきましょう。中古マンションの取引数は少ないですが、平均取引価格は4,864万円で、面積当たりの単価は、139万円/m2でした。
ちなみに2022年7月公表の公示地価をみると、Bunkamuraから徒歩5分の住宅地で平米単価196万円。前年から5.4%の上昇で、土地価格は12億円以上。さすが松濤です。
では、松濤エリアの今後はどうでしょう。
将来人口の増減率をメッシュ分析でみてみます。赤系は10%以上の人口増加、緑系は0~10%の人口増加、青系は人口減少を表しますが、松濤は全域が緑系でマークされており、2040年にかけて5~10%の人口増が予測されています(図表4)。
松濤エリアのマンションについてみてみると、街の大部分が第一種低層住居専用地域に指定されていることもあり、3階以下の低層物件が中心。新築・中古ともに供給数は多くなく、ファミリータイプのマンションなら億越えは当たり前です。
日本有数の繁華街に隣接しながらも、街の喧騒とは対照的な厳かで重厚な雰囲気を持つ、唯一無二の超・高級住宅街、松濤。2015年から20年までの5年間で人口が8.8%増加していることから、その人気の高さがうかがえます。大規模な再開発によって街全体の資産価値向上が見込まれており、居住を目的とする企業オーナーや医師などの富裕層などのほか、投資家からも大きな注目を集めることになるでしょう。
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