Aさんのようにならないために…FPが提案する「3つ」の対策
Aさんのようにならないためには、どのような対策をしておけばよいのでしょうか。FPである筆者は、以下の3つのポイントが重要であると考えます。
1.「リタイアメントプランニング」を行う
医師は収入が高いため、現役のころはどんぶり勘定でも問題ないかもしれません。しかし、退職し年金暮らしとなると、現役時代に比べ収入は3分の1ほどに減ってしまいます。
国民年金は、40年間の保険料を納めた場合、受給額は約6万6,000円。他方、収入に応じて受給額が変動する厚生年金の最高受給額は月額およそ30万3000円。収入が多ければ受給額も増える仕組みですが、上限があります。
これらを合わせても、月々の最高受給額は約36万9,000円※と、Aさんのような高収入の方が現役時と同じ感覚でお金を使っていると、資産はいずれ底をついてしまいます。
※ 厚生年金基金、国民年金基金は考慮せず。
この点を事前に把握したうえで、早めに資産の棚卸しと年間収支の確認を行い、老後の資産計画を立てる必要があります。
2.保険の見直しをする
現役時代は責任もあり、体が資本ですから手厚い保険が必要です。しかし、現役時代に必要な保険と老後に必要な保険は異なってきます。定年を前に再度保険を見直し、不必要なものは解約して家計をスリムにしましょう。人によっては、不必要な保険に毎月10万円以上の掛け金を払っているケースもあります。
3.資産運用の投資内容を検討する
Aさんの場合、よく勉強をしないままハイリスクな投資を始めてしまいましたが、投資経験のない方はまず低リスクで手間のかからない投資から始めることをおすすめします。
たとえば、都市部の不動産や投資のプロが運用してくれる「ヘッジファンド」などに分散投資することで、リスクを抑えて安定した運用を行うことができます。
ただし、ヘッジファンドにも高リスクなものと低リスクなものが存在しますから、始める際は入念な確認が必要です。また、Aさんのように担当者の説明を鵜呑みにせず、情報収集に努めましょう。
まとめ
人によって状況はさまざまですが、富裕層であっても老後を見据え、適切なライフプランや投資戦略を立てることが重要です。また、ご自身で判断できない場合にはファイナンシャルプランナーをはじめとした専門家の助言を受けることも有益です。
武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走