テレワークでは働く姿が見えないから、かいた汗も見えなくなる
しかしそれぞれの場所、それぞれの時間で働くようになると、どれだけ時間をかけているかは見えづらくなる。その一方、どんな成果が出ているのかは誰にでも見える。結果として、優秀な従業員の成果は高く評価され、普通の従業員はそこそこの評価に落ち着くことになる。
よって、ごく当たり前のように、脱時間給化が進むことになるのだ。
仮に、作業に手間取って仕事が長引いたとしよう。その理由が自分の勉強不足だったとしても、会社で働いていれば頑張っているように見える。しかしテレワークの状態では、その頑張りが見えず、単に長時間残業をしているという数字だけが残る。
その際に、作業に時間がかかったから、という理由を告げたところで「普通の人はこれくらいの時間で終わるはず」という標準形と比較されてしまうので、勉強不足が露呈してしまうことになる。それでも残業制度のもとでは残業代が支払われるだろうが、高い評価にはつながらなくなるのだ。
年功主義と生活給、時間給という概念があいまって、漠然とした中への期待に対する給与だという考え方もできる。仲間だから、仮に今多少仕事ぶりが悪くても生活は同じだけ保障すべきだ。
仮に他の人たちよりも成果を出せたとしても、分かち合うべきだ。過去の貢献があり、将来の期待がある。だからあたかも田畑でとれた農作物を皆で分け合うように、メンバーとして分け合うことを前提に給与の仕組みが設計され運用されてきた。
しかし脱メンバーシップ型の仕組みにおいては、過去の貢献も将来の期待も反映せず、今どれだけ成果を出したのか、ということを見るようになる。雇用も時価で取引されるようになるのだ。
そのような変化は確実に来る。
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