前回は、投資用不動産を「利回り」だけで選んではいけない理由を見てきました。今回は、投資用不動産の「立地」と「利回り」の関係について、より具体的に説明します。

「安価で立地が悪い土地」のほうが利回りはいいが・・・

安い物件を選択することも、高い利回りを得る方法のひとつです。物件価格は、建物価格と土地価格に分けることができますが、建物の方は必要最低限が決まっているので、ある程度までしかコストダウンできません。すると、大きく下げることができるのは土地価格ということになります。

 

安い土地≒立地が悪い、といえます。

 

ここで「安価だが立地が悪い土地」と「高額だが立地がいい土地」の利回りをシミュレーションしてみましょう。

 

・「安価だが立地が悪い土地」

物件価格…5500万円

間家賃収入…540万円(家賃5万円、9戸)

利回り…9.8%

 

・「高額だが立地がいい土地」

物件価格…8500万円

年間家賃収入…756万円(家賃7万円、9戸)

利回り…8.9%

立地の悪さがアパートの「空室」を増やす

確かに「安価だが立地が悪い土地」の方が「高額だが立地がいい土地」よりも、利回りは0.9%高くなります。しかし、これはあくまで満室時の比較。実際は安価になるほど立地も悪くなるので住みたいと思う人が減り、空室が多くなります。

 

空室になればその間の家賃だけでなく、広告費もかかり、さらに最近は空室対策としてフリーレントという最初の1か月から3か月の家賃を無料にするサービスが増えています。

 

仮に毎年3部屋が2か月空室になったとします。その対策として広告費が家賃の3か月分、フリーレントが1か月分だとすると、合計で家賃6か月分×3部屋の90万円が入ってきません。

 

そうすると実質の利回りは、

物件価格…5500万円

年間家賃収入…540万円-90万円=450万円(家賃5万円、9戸)

利回り…8.2%

 

となり、「高額だが立地がいい土地」の利回りを下回ってしまうのです。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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