前回は、 アパート経営で「管理会社」の努力には期待できない理由を説明しました。今回は、やる気のない管理会社、やる気のある管理会社の見分け方を見ていきます。

管理物件の入居率を即答できない会社は論外

前回の続きです。では、やる気のない管理会社と、優れた管理会社を見分けるにはどうすればいいのでしょうか。実は簡単なたった3つの質問をすることで見分けることができるのです。

 

ひとつ目は、管理物件の入居率を聞くことです。サラリーマンの方には分かっていただけると思いますが、仕事には目標が必要ですね。管理会社ならば一定割合以上の空室を出さないことが最終目標といえるでしょう。この目標を数値化したものが入居率です。しかし、やる気のない管理会社は、この入居率を聞いても即答できません。このような会社は論外です。

 

筆者の場合は、アパート経営を計画する際は、入居率60%以上で黒字になるようにします。10室の物件の場合、4室までの空室ならば利益が出るように収支計画を立てるのです。ここを損益分岐点として計画しますが、目標は別物です。

 

ちなみに筆者の会社で管理する物件の平均入居率は毎月97%前後です。私はとくに入居率にこだわっています。その理由は、アパート建築業が本業なので、オーナーに儲けてもらって2棟目、3棟目を建ててほしいからです。入居率を限りなく100%に近くすることで、建ててからも安心してもらうためです。

 

だまっていてもたくさんの管理手数料が入る管理会社よりも、建築費を主な収入源にするアパート建築会社の方が、入居率に強くコミットする傾向があるようです。

「リーシング会社」を使った入居者募集をしているか?

ふたつ目の質問は、仲介手数料を受け取っているかです。ほとんどの管理会社は、賃貸物件の仲介業も兼業しています。つまり管理する物件に空室が出れば、自分で入居者を見つけて大家、入居者それぞれから仲介手数料(一般的には家賃1か月分)を受け取っているのです(図)。この両方から手数料をもらうことを、不動産業界では「両手」といいます。

 

しかし、なかなか入居者が見つからない場合は、少し家賃を下げて再度募集します。これでも入居者が決まらない場合は、大家にもう一か月分の合計2か月分の仲介手数料を出してもらい、1か月分は自社が受け取り(片手)、もう1か月分はリーシング会社に支払うことで入居者を見つけてもらいます。

 

【図 仲介手数料の仕組み】

 

ほとんどの人は、このリーシング会社という言葉をはじめて聞くのではないでしょうか。実は不動産賃貸業は次の3つの業態があるのです。

 

●PM(プロパティマネジメント)会社

いわゆる不動産管理会社。入出金管理や入居者の募集など大家業の代行を行う。仲介業を兼業することが多い。

 

●リーシング会社

物件管理は行わず、アパート入居者仲介だけを専門とする会社。そのため営業力がある。

 

●BM(ビルマネジメント)会社

建物の清掃、点検などを専門とする会社。多くのPM会社はBM会社に清掃、点検業務などを委託する。

 

次回に続きます。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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