前回は、素人が賃貸物件を購入するなら「新築」が無難だといえる理由を見てきました。今回は、アパート経営で「管理会社」の努力には期待できない理由について説明します。

新規参入が非常に難しいアパート管理業界

アパート経営を行う上で、一番のリスクは空室です。ローンを毎月支払わなければならないのに、複数の空室が出てしまえば収支が合いません。いくらサラリーマンの給与があるとはいえ、これでローンを払っていては、アパート経営をする意味がなくなってしまいます。

 

空室が出る原因は、管理会社の質に尽きます。世の中では賃貸物件は飽和状態という意見があるようですが、それでも満室状態の物件はいくらでもあります。その理由は、立地条件や建物自体の魅力など様々ですが、つまるところ管理会社のやる気なのです。

 

管理会社の多くは、長年営業している古い会社です。そのほとんどは競争ということを知らず、自社物件や紹介などを頼りに続けています。

 

なぜこのような古い会社ばかりかというと、新規参入が非常に難しい業界だからです。新規参入するには、ほとんどの場合、まず一般的な賃貸物件の仲介業から始め、仲介をした大家に対してこつこつ営業をして管理物件を増やしていきます。管理手数料の相場は家賃の5%前後です。たとえば家賃6万円で9戸の物件ならば合計の管理手数料は次のようになります。

 

●賃貸物件の管理手数料…6万円×5%×9戸=2万7000円

 

いくら毎月入ってくる安定収入とはいえ、2万7000円では生活できません。そのためほとんどの管理会社は、数十棟以上の契約が必要となります。しかし、これが難しい。大家としては、長年付き合いのあった管理会社の契約を解約してまで乗り換えることになるからです。営業は簡単とはいえないでしょう。だからほとんどの新規参入の管理会社は、軌道に乗る前に撤退していくのです。

少しの空室でもアパート大家の損失は甚大なだけに…

このような背景から多くの管理会社は、競合他社にとって替わられる危機感を持たずに仕事を続けています。もちろん営業に対する目標数字もありません。その結果空室が増えてものんびり……。

 

昔ながらのアパート大家は、地主で複数の物件を持つことが珍しくありません。このような大家は、あまり儲けにうるさくなく、また合計で数十戸持っているので、5、6部屋の空室が出ても気にしません。入居率90%ならば十分採算が取れるからです。だからのんびりした管理会社でもやっていけるのです。

 

しかし、1棟しか持たないサラリーマン大家が、このような会社に管理を任せたら悲劇です。5、6部屋の空室が出たら入居率は50%を切ります。アパート経営は成り立ちません。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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