前回は、賃貸経営の失敗につながる「やる気のない管理会社」の見分け方を見てきました。今回は、「リーシング会社」の利用で賃貸物件の空室期間を短くする方法について説明します。

リーシング会社が営業力を投下する「両手」物件

リーシング会社は営業専門の精鋭部隊です。あまり耳馴染みがないと思いますが、テレビコマーシャルなどで有名な賃貸物件の仲介を行うフランチャイズ系不動産会社(エイブル、ミニミニ、アパマンショップなど)の多くはこの業態です。

 

基本的にこの業態の会社は、入居者からの仲介手数料、業界用語で「片手」で成り立っている訳ですが、大家からの手数料、つまり「両手」を得ることもあります。それは筆者の会社のようなPM会社が物件情報を渡し、入居者を見つけてもらうケースです。

 

「片手」物件と「両手」物件が混在する中では、リーシング会社は当然「両手」物件に営業力を投下します。仲介手数料だけで成り立っているリーシング会社の営業力は圧倒的です。「両手」を前提とする物件は、比較的すぐに入居者を見つけてくれます。

 

大家にとって一番大きな悩みは、空室が長く続くことです。そのため筆者の会社では、空室が出るとすぐに「両手」という条件付きでリーシング会社へ物件情報を流します。つまり大家に2か月分の仲介手数料を出してもらうことなく、最初から自社では手数料を取らないことを前提に、リーシング会社に入居者募集を依頼するのです(図1)。

 

【図表1 管理会社が手数料をとらないケース】

 

やる気のある優れた管理会社を見分けるには、このように仲介手数料を受け取っているか、またリーシング会社へどのタイミングで情報を渡すのかを聞くことが重要です。

リーシング会社同士で「競争」させるのも有効

加えて確認したいのは、どれくらいの数のリーシング会社へ情報を流しているかです。リーシング会社は一つではありません。

 

少し大きな駅の周辺を歩けば、見たことのある看板の不動産会社がたくさん並んでいます。これらのうち賃貸物件の仲介を行う会社の多くはリーシング会社です。より早く入居者を見つけるには、より多くのリーシング会社へ情報を流す必要があります。リーシング会社同士で競争してもらうのです。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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