(※写真はイメージです/PIXTA)

離婚は寄り添ったパートナーとの別れで寂しさもある一方、人生の再スタートでもあります。うまく対応することで、より良い人生の第二章を歩むことも可能です。だからこそ、慎重に、綿密に策を講じることが肝要です。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービスによせられた質問をもとに、離婚時における「修羅場」への的確な対応について、杉本真樹弁護士に解説していただきました。

3.(不貞)慰謝料請求の伴う離婚にあたっての段取りなど進め方について

(1)探偵事務所の調査報告書の内容次第になります。当該調査報告書の内容が、証拠としてご相談者に有利な場合には、これをもって不貞の事実の根拠として慰謝料請求することを検討することとなります。

 

証拠として有利なものかどうかは、裁判例の基本的な考え方からすると、配偶者と不貞相手において性行為があったことを推測させる程度によることとなります。

 

本件でも、調査報告書の内容がご相談者に有利な場合には、不貞についての慰謝料請求を検討することとなります。

 

(2)そのうえで、配偶者が話し合いに応じる態度の度合いによって段取りが変わります。

 

まず、配偶者が柔軟に話し合いに応じる態度を示している場合には、夫婦間での離婚についてのお話合いを打診することも考えられます。この場合にも下記のように話し合いが順調に進まない場合も念頭に置いておく必要はあります。

 

他方、配偶者が話し合いに応じる態度を全く示さない場合には、最終的には証拠を持って請求することができるよう段取りを組む必要があります。

 

例えば、先のように財産に関わる資料が全くない場合、不貞の事実に関わる資料が全くない場合などには、証拠資料の収集と配偶者と同居し続けることによる精神的ストレスなどとのバランスを考えながら、進める必要があります。本件では、夫から出ていけと日々言われている状況ですので、ご相談者の精神的なストレスは非常に大きいものと考えられます。

 

他方、手元にある財産や不貞の事実に関わる資料とのバランスを見ながら、別居に応じるのかなどを検討していくこととなると考えられます。

 

また、不貞慰謝料についての夫の考えを知ってから進めたいと考える場合には、まずは当該慰謝料の請求から開始することも考えられます。

 

このような判断は、お一人で考えることは困難と思われますので、専門家にご相談しつつ一緒に検討する方法がよろしいと考えられます。

 

(3)そのほか生活費としての婚姻費用について、配偶者から支払われない場合には、配偶者に対し早めに請求する必要があるなど、ご状況に応じて対応するべき事項があります。

 

(4)なお、証拠の内容によりますが、本件で配偶者の不貞の事実を認められるだけの証拠があり、配偶者の有責性が認められる場合には、配偶者からの離婚請求は、有責配偶者からの離婚請求として認められないこととなります。

 

最後に

このように、ご離婚に際しては、複数の取り決めるべきこと、話し合うべきことが複雑に絡み合い、夫婦間の協議では、整理が難航することが少なくありません。

 

また、ご離婚のことは、なかなか人に相談することに抵抗を感じることもありますので、最初の状況整理だけでもお近くの専門家にご相談されることをお勧めします。

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