株価10倍!テンバガーに化ける“3つの条件”と、条件を満たしている「中小型成長株」6選【投資のプロが伝授】

株価10倍!テンバガーに化ける“3つの条件”と、条件を満たしている「中小型成長株」6選【投資のプロが伝授】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「日経新聞の切り抜き」を25年間継続し、会社四季報を100冊読破した複眼経済塾の渡部清二代表は、有望銘柄には「中小型成長株、業績回復株、優良株、バリュー株、老舗株」という5つのタイプがあるといいます。今回は「中小型成長株」について、株価が10倍(テンバガー)になる可能性を秘めた具体的な有望銘柄をみていきましょう。

中小型成長株を見つける「3つ」の条件

ピーター・リンチ氏は「中小型成長株と業績回復株を買いなさい」と提言していて、このタイプの株を見つけることが、大きなリターンにつながるということを強調している。

 

では成長力があり、テンバガーになる可能性を秘めている中小型成長株を見つけるにはどうすればよいかといえば、私は次の3つの条件に注目している。

 

1.時価総額が「300億円以下」

中小企業の企業価値は、発行済み株式数と株価を掛けて算出した時価総額で判断する。たとえば、発行済み株式数が3000万株で株価が1000円であれば時価総額は300億円になる。株価が2000円になれば2バガー、3000円になれば3バガー、1万円になれば10バガーになる。

 

したがって、時価総額が小さければ小さいほど、株価が上昇した際は何倍にもなり、大化けする可能性もある。しかし、このことばかりにこだわりすぎると銘柄選びの幅を狭くしてしまうので注意を要する。私は時価総額300億円を基準に銘柄を選ぶようにしている。

 

2.増収率が「前期比20%以上」

中小企業の成長率は前期比の増収率で判断する。

 

四季報には、各年度の売上額は載っているが、前期比の増収率は記載されていないので、Jブロックに記載されている業績の数字を活用して、次のように計算する。

 

今期の増収率={(今期売上高÷前期売上高)-1}×100
来期の増収率={(来期売上高÷今期売上高)-1}×100

 

東証に上場している全企業の増収率の平均は、四季報の巻頭ページで確認できる。この計算式を照合して増収率が前期比20%程度であれば、その企業は十分に成長力があるといえるし、増収率20%が4年続けば、4年後のその企業の売上は約2倍ということになる。

 

ただ実際に銘柄を選ぶ際には、私は1つの目安として、今期の増収率(予想)20%以上、来期の増収率(予想)15%を基準に成長力のある銘柄を選ぶようにしている。

 

3.オーナー企業である

オーナー企業であることも中小型成長株の重要な条件になる。

 

オーナー企業の最大の強みは、会長や社長が経営権を握っていることで、企業としての意思決定が迅速にできるため、経営環境の変化に対応しやすい。オーナー企業としての目安は、会長や社長、その家族、家族の資産管理会社などが大株主の3位までに入っているか、これに近い企業と考えてよいだろう。

 

『会社四季報 2022年4集 秋号』で、これら3つの条件を満たしている銘柄は、たとえば、

 

不動産クラウドファンディングを展開するクリアル(2998)、
賃貸用不動産の仲介、管理業務を効率化するソフトを提供する日本情報クリエイト(4054)(本企業のみ今期増収率16.6%、来期増収率〔予想〕37.5%)、
人流データを解析したリアル行動データを活用するunerry(5034)、
法律事務所の紹介・相談サイトを複数展開するアシロ(7378)、
看護師やリハビリ職による訪問看護サービスに特化したRecovery International(9214)

 

などが挙げられる。

 

 

渡部 清二

複眼経済塾

代表取締役塾長

 

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※本連載は、2023年2月25日刊行の渡部清二氏による著書『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本連載は、証券投資の勧誘を目的としたものではありません。 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本書、本連載を利用したことによるいかなる損害などについて、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート

渡部 清二

KADOKAWA

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