鉄を食事だけで十分摂ることはけっこう難しい
鉄を補うには、まずは食事からが大前提ですが、昔と比べて食材に含まれる栄養素が少なくなっているものも多いです。また、鉄を多く含む食品でも、症状を改善するためには、大量に摂取する必要があるため、栄養療法を行う際には多くの場合、 サプリメントを併用します。
特にONCE分類(図2)で各項目とも2~3レベルであるなど、深刻な鉄不足に陥っている場合は、食事やその他の生活習慣の見直しと同時に、早期からサプリメントの助けを借りると症状がより速やかに改善していきます。
ただし、サプリをやみくもに摂ればいいというものではありません。 サプリメントによっては過剰摂取すると体内の鉄の量が急増し、かえって体調不良の原因になる恐れがあります。
私のクリニックでは個別にサプリによる摂取の適量を設定したうえで、治療中も定期的に血液検査やONCE分類等で貧血および体調の改善具合を都度評価します。そして結果に応じサプリの量を少しずつ減らしていくことをおすすめします。
なお、鉄の吸収にはビタミンや、マグネシウムなどほかのミネラルも不足しないようにすることが大事です。そのため栄養療法では、必要な栄養素を総合的に見極め、計画的に食事とサプリによる摂取を行っていけるようにします。
栄養療法を始めたら、サプリをずっと摂り続けないといけないの?と心配になる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
食事や生活を整え、体の機能を正常に戻せば、やめることも可能です。特に鉄は、過剰にならないよう、安定した摂取量になるまでは、1~2カ月単位でサプリの量の見直しを行っています。
私が目指すところは、サプリがなくても大丈夫な体をつくり、人生をハッピーにすることです。だって、人生は一度きり、"ONCE"なのですから。
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