鉄分の多い食品と食べ方
鉄不足の症状を改善するための基本は食事で鉄を摂ることです。
食事の中に含まれる鉄は肉・魚などに含まれるヘム鉄と、ほうれん草や卵に含まれる非ヘム鉄に大きく分かれます。それぞれの食品を図1に示しました。
レバーが圧倒的に多く、豚レバーは100g中13mg、鶏レバーは9mgとなっています。レバーは鉄ばかりではなく、亜鉛、ビタミンAなども多く、栄養価に優れた食品ですが、苦手な方も多いのではないでしょうか?
私の一番のおすすめは、赤身の肉を食べることです。肉の赤色は、ミトコンドリアの鉄を反映しており、鶏の胸肉より赤身の牛ヒレのほうが多いです。 なかでも、鹿(3.9mg/ 100g)、馬(4.3mg/100g)、イノシシ(2.5mg /100g)など野生のジビエ肉は赤みが強く、鉄量も多くなっています。
また、魚では肉と同様、赤身のマグロ、カツオなどに鉄が多く含まれています。血合いはヘム鉄が豊富ですが、マグロなどの大型魚はメチル水銀も多く含まれているため、妊活中の女性にはおすすめできません。
非ヘム鉄はポルフィリンと結合していない無機鉄です。大豆加工品、小松菜やほうれん草などに多く含まれますが、実は卵も非ヘム鉄の食品です。また、鉄のフライパンや鍋で調理をすることも有効です。 その際、酸味があるものならより鉄を引き出せるので、トマトやお酢を使った料理がおすすめです。
鉄の吸収をアップする食事
体内での鉄の吸収は一緒に食べる成分の影響を受けます。
ヘム鉄に比べて吸収の低い非ヘム鉄でも、食べ合わせを工夫して吸収率を上げることは可能です。
ビタミンCもその一つです。オレンジ、キウイ、柿、イチゴなど果物はビタミンCを多く含むので、食事の際に果物を一緒に摂るようにすると吸収率アップにつながります。
ただし果物は糖分が多いため、摂りすぎには注意してください。
ビタミンCはパプリカやブロッコリーなどの野菜にも含まれていますが、水溶性であるため、茹でたり、加熱することによって失われてしまいます。サラダにして生で食べるなど調理を工夫するのがよいでしょう。
ビタミンCと鉄は、美肌にも必要な成分なのできれいになりたいと思う女性には特に重要です。
食事の際にビタミンCのサプリメントを一緒に摂って鉄の吸収をアップさせるという方法もおすすめです。
またクエン酸も非ヘム鉄の吸収力をアップしてくれる栄養素です。クエン酸は疲労回復にも役立ち、酢やレモン、ゆず、すだち、梅干しなどに含まれるので調理の際に意識して使うとよいです。たんぱく質も鉄の吸収を高めてくれます。
非ヘム鉄の食材は、肉や魚といったたんぱく質も鉄分も多い食材と組みわせてしっかり鉄を摂ることが大事です。
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