(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査は「任意調査」と聞きますが、拒否・拒絶することは「絶対に不可能」だと、元税務調査官の秋山清成税理士はいいます。いったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。

税務調査を拒否することは「できない」

よく挙がる質問に「税務調査を拒否することはできるのでしょうか?」があります。結論は、税務調査を拒否することは……できません!

 

一般的に税務調査は「任意調査」という分類ですが、税務調査における「任意」とは、調査を受ける・受けないの意思を問うているのではなく、調査時における通帳や書類、パソコンのデータ、金庫の中身などを調べる際に、相続人に調べる許可を問うことを指しています。

 

納税者には納税の義務と同時に、「税務調査に応じなければならない」という義務があるので、税務調査を拒否することはできません。

 

では、相続税の税務調査を回避するため、意図的に海外に逃亡したらどうなるでしょうか。

 

税務署はあらゆる手を使って相続人の所在地を掴もうとします。捜索の結果、相続人が見つかれば、悪質な税金逃れとして、延滞税のほかに重加算税という最も重い罰則が課されることになります。

 

仮に相続人が見つからなくても、その人はもう日本に帰って来ることはできないでしょう。なぜなら、海外から日本に入国するには入国審査を通りますが、航空機の乗客名簿は、事前に入国管理局と税関当局に連絡されています。

 

何億円という税金を脱税している人は税務署にマークされ、リストが入国管理局と税関に回っていますので、リストに載っている人が入国すると施設間で連絡が取られ、最悪逮捕ということになります。

 

また、場合によっては相続人の連帯責任で、他の相続人に税金を払ってもらうこともあります。ちゃんと税金を払っている側からしたら、迷惑どころの話ではありません。

 

次ページ税務調査が「最も厳しくなる」時期は?

※本連載は、秋山清成氏による著書『元国税 相続専門40年ベテラン税理士が教える 損しない!まるわかり!相続大全』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

元国税 相続専門40年ベテラン税理士が教える 損しない!まるわかり!相続大全

元国税 相続専門40年ベテラン税理士が教える 損しない!まるわかり!相続大全

秋山 清成

KADOKAWA

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