(※写真はイメージです/PIXTA)

映画やメディアで取り上げられたことで、都市伝説や陰謀論の代名詞として挙げられるようになった「フリーメイソン」。「フリーメイソン=陰謀論」と考える人も少なくありませんが、実は日本を含め世界各国とフリーメイソンには“密接な関係”があると、東京大学名誉教授の矢作直樹氏と、世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏はいいます。連載最終回となる今回は、“世界を統べる者”の正体に迫ります。

国連の最高職「事務総長」知られざる選定基準

なお、フリーメイソンは利益団体ではありません。フリーメイソンの構成メンバーの内、上にいるのはやはり権力を持っている人が多い。権力にはお金がついてまわりますから、いわゆる莫大な利益というものとフリーメイソンとを関係づけて勘違いしてしまう人も多いのでしょう。

 

例えば国連の最高職に事務総長というのがあります。2017年からアントニオ・グテーレスが9代目の国連事務総長を務めていますが、グテーレスはポルトガルの政治家で同国の第114代首相を務めていた人です。

 

アメリカ人が事務総長を務めたことはありません。歴代の事務総長の出身国を見ると、先代の潘基文は韓国、その前のコフィー・アナンはガーナというように、マイナーとでも言ったらいいのか、昔で言えば発展途上国のような小国が多いんですね。

 

これは、国連をつくったフリーメイソンが平等を重んじているからです。第一次世界大戦の戦後というもの、つまり先進国だとか列強だとか、いわゆる強国の人をトップに据える不平等を痛烈に反省しているのです。

 

ところが、発展途上国的な小国のなかで権力のある地位に就いた人たちというのは結構な金持ちにはなるのだけれども、いわばあまり質の良くない金持ちなんですね。

 

そういう人たちが発想するとだいたい悪事につながってしまうということがやはりあって、これはひとつの問題あるいは課題となっているところです。

 

 

矢作 直樹

東京大学名誉教授

宮澤 信一

国際実務家

 

※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

 

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※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか?

世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか?

矢作 直樹

ワニブックス

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