(※写真はイメージです/PIXTA)

映画やメディアで取り上げられたことで、都市伝説や陰謀論の代名詞として挙げられるようになった「フリーメイソン」。「フリーメイソン=陰謀論」と考える人も少なくありませんが、実は日本を含め世界各国とフリーメイソンには“密接な関係”があると、東京大学名誉教授の矢作直樹氏と、世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏はいいます。連載最終回となる今回は、“世界を統べる者”の正体に迫ります。

「フリーメイソンが世界の経済を牛耳っている」は本当か

【宮澤】都市伝説と呼ばれているようですが、一般的にはよく、フリーメイソンは世界政府の樹立ないし世界統一ないし世界征服を策略している、などと言われるようです。しかし、それはあり得ない話です。

 

フリーメイソンというのは世界の各文明の智慧者の集まりです。今の時代ではお互いの国ということになりますが、お互いの民族、お互いの文明、お互いの宗教を尊重し合って、喧嘩などせずに仲良く進歩していくということを目指す団体です。

 

陰謀を図って国と国を争わせるなどという活動は行いません。そのつもりがあるなら、世界征服などはとっくの昔にやってしまっています。だいたい、世界征服ないし世界政府の樹立を行って、いったいどうしようというのでしょう。

 

フリーメイソンはあらゆる金融に関係し、世界銀行を含めた世界の経済を牛耳っている、という言い方も正しいものではありません。例えば、ある国だけが特別に経済的に強くなると必ず貧乏になる国が出てくるという現実があります。

 

経済学においても議論がありますが、一方だけが豊かになるということは果たして良いことなのか、という問題があります。

 

そこで各国の経済をバランシングする、つまり弾力性を持った、お金がちゃんと回る世界経済にするために、フリーメイソンは世界の各銀行の存在と活動を認証する役目を担っています。

 

逆の見方をすると、フリーメイソンが認証をしてくれなければ、つまりフリーメイソンから認められている銀行でなければ世界で商売ができない、ということです。

 

その見方からすれば、牛耳っている、という捉え方も可能でしょうけれども、実態は違います。混乱が起きないように識別番号を与えている、というイメージです。

 

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※本連載は、矢作直樹氏と宮澤信一氏の共著『世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか?

世界を統べる者 「日米同盟」とはどれほど固い絆なのか?

矢作 直樹

ワニブックス

「日本にウクライナ侵攻の悲劇は起こらない!」……アメリカが諸外国の侵略から日本を絶対に守る理由とは? 東京大学名誉教授の矢作直樹氏と、世界の金融や国際協議の実務にかかわる宮澤信一氏が、6つのキーワードから世界…

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