(画像はイメージです/PIXTA)

平均寿命の延びや、単身世帯の増加から、日本では今後「おひとりさま」として過ごす方々が増えると想定されます。不安なく老後を送り、迷惑をかけることなく旅立つために、どのような準備が必要なのでしょうか。

最悪は「孤独死」も…おひとりさまの終活が重要なワケ

すっかり市民権を得ている「おひとりさま」という言葉。専門用語的には、「単身者世帯」に属する人、ということになるのでしょうか。

 

厚生労働省が発表している「国民生活基礎調査の概況」によると、1968年は569万世帯だった単身者世帯の数が、2021年には1529万世帯まで増えています。なお、総世帯数に占める単身者世帯の割合は、1968年が19.83%で、2021年は29.45%ですから、この50余年の間におひとりさまが大きく増えたことがわかります。

 

ちなみに、この統計で言う単身者世帯は、生涯独身者だけでなく、離婚や死別でおひとりさまになった人もカウントされています。50歳まで1度も結婚したことのない「生涯未婚率」は、2021年度の数字で男性が23.4%、女性が14.1%となっていますが、この数字は今後も上昇傾向をたどる可能性が高く、推計値によると2040年には男性が29.5%、女性が18.7%になる見通しです。

 

人間、最後は必ず死を迎えます。つまり、終活は誰にとっても必須のテーマです。とくにおひとりさまの場合、最悪は「孤独死」というケースもありうることから、いつか必ず来るその日に備えて、いろいろな終活を経て備えておく必要があります

 

とはいえ、誰にとっても終活は初めてのこと。何からすればいいのか分からないという人も多いでしょう。

 

そんな方々に、ぜひとも着手すべき「重要な6項目」をご紹介します。

①身の回りの整理

身の回りの整理をする機会の多い「引越し魔」の人は別ですが、長年、同じ家に住み続けると、どうしても余計なもので溢れてしまいがちです。そのため、これから先、自分にとって不要と思われるものは整理しておきましょう。

 

また、モノの整理だけでなく、複数の銀行口座、証券口座、複数枚のクレジットカードなどを保有している人は、それをできる限りまとめて集約させた方がよいでしょう。それと同時に、これから先は余計なものを買うことをできるだけ控えましょう。

②遺言書の作成

孤独死をした人の財産は、一定期間内に相続人が現れないと国庫に入れられてしまいます。もし、どうしても相続させたい人がいる場合は、遺言書を作成しておきましょう。

 

「遺言なんてまだ先の話」と考える人は少なくないのですが、人生何が起こるか分かりません。突然、事故に遭って亡くなることもありますし、年齢を重ねると気力・体力ともに認知力も低下した後では、遺言を作成することが困難になります。早めに準備しておくに越したことはないでしょう。

③エンディングノートの作成

遺言書のような法的拘束力はありませんが、自分が亡くなったときにどうしてほしいのか、遺言書はどこにあるのかといった点を書き留めておくと、意思決定がしやすくさまざまな手続きがスムーズに進みます。

④万が一のときのための備えをする

ひとり暮らしで体調が急変し、命が危険な状態になることに備え、緊急ブザーを携帯することをおすすめします。自治体によっては、緊急ブザーを役所の福祉課などで借りられるところもありますし、民間のセキュリティ会社で高齢者向けの見守りサービスを行っているところもありますので、これらを活用するとよいでしょう。

⑤孤独死を避けるための努力をする

おひとり様は孤独死のリスクを抱えています。もちろん、本人は死んでしまえば何もわからないかもしれませんが、孤独死の状況によっては、さまざまなところに迷惑をかけることになりかねません。

 

そうならないためにも、周りの人とのコミュニケーションを絶やさないようにしましょう。近所を散歩しているときによく出会う人には挨拶をする、よく行くお店の店員と顔見知りになっておく、といったことに加え、最近はSNSという手段もあります。複数名の人とSNSを通じてつながっておき、備忘録的なものでいいので、日々なにか書いておくようにするといいでしょう。

 

とくに高齢になると、外に出るのが億劫になる場合もあります。それでもSNSを通じて複数の友人とつながっておけば、外出しなくても生存確認してもらえます

 

あるいは自治体によりますが、ひとり暮らしの人に対して生活支援サービスを行ってくれるところもあるので、そのような課に「ひとり暮らしであることを知らせておく」のもいいですし、定期的に家を訪問してもらえる訪問サービスを活用するのもひとつの手です。

⑥生前契約を利用する

身寄りのない人が亡くなったあと、自分の希望する形で葬儀や埋葬、その他の死亡手続きをすませてもらえる「死後事務委任契約」のほか、認知症などで自分の判断能力が低下したときに、本人に代わって後見人がサポートする「成年後見人制度」などもあります。

 

これらを活用することによって、晩年も安心して過ごすことができるでしょう。

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