45歳で5,000万円の家を「住宅ローン」で購入→20年後・65歳時の「ローン残高」に悲鳴…“マイホーム希望”なら「早く買った方がいい」ワケ【CFPの忠告】

45歳で5,000万円の家を「住宅ローン」で購入→20年後・65歳時の「ローン残高」に悲鳴…“マイホーム希望”なら「早く買った方がいい」ワケ【CFPの忠告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

大手銀行の住宅ローンの固定金利が10年ぶりに上昇し、住宅購入やローン返済に不安を抱いている人が増えています。住宅ローン相談実績25年・5,500件超の実務家FPとして活躍する平井美穂氏が、著書『金利上昇でもあわてない 住宅ローンの超常識』(河出書房新社)から、住宅ローンの正しい知識をわかりやすく解説します。今回は、現在の金利上昇局面で住宅ローンを組んで家を買うべきか否かの判断の基準をお伝えします。

早めに住宅を買うと「あとあと楽ができる」といえるワケ

ところで、多くの人は住宅ローンを組むときに最長の返済期間を選びますが、購入時の年齢別に65歳時点のローン残高を確認してみましょう([図表2]参照)。

 

※全期間金利1%と仮定、35年元利均等返済の場合 ※最終返済時年齢=満80歳未満のルールの金融機関の例
[図表2]65歳時点でのローン残高 ※全期間金利1%と仮定、35年元利均等返済の場合
※最終返済時年齢=満80歳未満のルールの金融機関の例

 

たとえば、45歳で5,000万円のローンを金利1%で組んで家を購入した場合、繰り上げ返済をまったくしなかったとすると、65歳時点のローン残高は2,266万円です。

 

この完済資金を65歳までの20年間で貯めようとすると、毎年およそ113万円(2,266万円÷20年)ずつ貯蓄していく必要があります。

 

ここはうまく資産運用を取り入れたいところですが、年率3%の利回りで効率よく貯められたとすると、毎年84万円ずつ投資に回せば、20年後にはおよそ2,266万円になる計算です。

 

運用を上手にしたとしても、毎月7万円ずつ積み立てをする必要があります。

 

一方、30歳で家を買えば35年ローンを組んで繰り上げ返済を一切しなかったとしても、65歳には返済が終わるのでラクです。

 

30歳までとはいわないまでも、買う年齢が早ければ早いほど65歳時点のローン残高が少なくなります。しかも、賃貸暮らしが短ければそれだけ無駄な家賃を払わずに、稼いだ収入を資産形成に集中して投下することができます。

 

将来は実家に同居するなど、家を買う必要がない人は別として、早く買って早く返し終われば、老後がラクになるのです。

 

ただし、焦って実力以上に高い物件を高つかみしたり、永く住めない家を購入したりするのだけは気をつけてください。

 

早く決断しないとなくなってしまうと焦って、筆者のところに相談するお客様もいらっしゃいますが、周辺相場と比べて高すぎないか、家族全員でずっと住むのに狭すぎないか、慎重に判断をしてください。

 

たとえば、マンションだけではなく戸建も視野に入れる、新築ではなく中古を検討する、エリアを変えてみる、実家に協力してもらうなど、視点をずらして気長に探してみれば、きっとほかにも理想の家が見つかります。

 

もちろん、いま検討している物件がベストな場合もあるでしょうが、いずれにしても検証しすぎて損することはないのです。

 

 

平井 美穂

平井FP事務所

代表ファイナンシャルプランナー

 

金利上昇でもあわてない 住宅ローンの超常識

金利上昇でもあわてない 住宅ローンの超常識

平井 美穂

河出書房新社

大手銀行の住宅ローンの固定金利が10年ぶりに上昇局面。すでに返済中の人、これからローンを組んで住宅を購入する人の不安や疑問に答え、正しい知識と賢い乗り切り方を授ける書!

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