最適なオフィスを企業に提供する「株式会社estie」
日本の商業用不動産(オフィス)の資産規模は約100兆円と世界最大規模を誇る。ただ、欧米などに比べデータやテクノロジーの活用が遅れており、成長の足かせとなっている。
そうしたなか、株式会社estieは2018年、「産業の真価を、さらに拓く。」をパーパスに掲げて創業した不動産テックベンチャーだ。商業用不動産業界が抱えるデータ流通の課題をデジタルシフトにより解決し、市場に眠るポテンシャルを引き出してさらなる市場拡大を後押しする。
大手デベロッパーの過半数以上が利用する『estie pro』
『estie pro』は、オフィス賃貸業やオフィス投資業に必要なあらゆる情報を提供する日本最大級のデータ基盤サービス。50以上の不動産デベロッパー・管理会社・仲介会社などから情報を日々集約し、自動で処理するデータパイプラインを構築。
全国8万件以上、東京都心5区90%を網羅しており、物件情報・空室情報・募集賃料・入居テナントなどの情報を、不動産デベロッパーや資産運用会社、プロパティマネジメント会社など多様な不動産事業者に提供。データを活用した不動産事業者の意思決定をサポートしている。大手デベロッパーの過半数以上が利用しているという。
『estie pro』はさまざまな営業・マーケティング活動に活用されている。たとえばテナント検索機能で推定契約面積やエリア、業種を絞り込んで検索、営業戦略に沿って入居企業候補をリスト化できるほか、自社が保有するオフィスビルに近い条件(エリア、面積、築年数など)で検索し、そのなかから競合ビルを選別してリストを作成して分析機能や比較表をExcelでつくれるなど業務の大幅な効率化につながる。
また、J-REIT(上場不動産投資法人)のIR資料に同社のデータベースが活用されるなど、その信頼性は高く評価されている。
estie pro事業責任者の齋藤氏は次のように説明する。
「『estie pro』は、網羅的かつ新鮮なデータが日々蓄積されていることが最大の特徴といえます。不動産デベロッパーや仲介会社などは各社がそれそれのフレームワークでデータを管理していますが、それらを当社独自のテクノロジーを駆使して整理したうえで、データベースに落とし込んでいます」
実は、商業用不動産業界では過去に同様のデータベース化にチャレンジしたIT関連企業があったが、データを十分に集められなかったという。
「当社がこれだけのデータ収集ができた理由として、創業者の平井瑛代表取締役CEOが三菱地所出身で、海外事業やオフィスビル事業を手がけた経験があり、不動産業界に精通した人間ということで、多くの不動産関連企業のみなさまに信用、信頼され、データのご提供やご協力をいただけているのだと思います」
estieが新たに目指す『Whole Product構想』とは
estieは新たなサービスとして、『Whole Product構想』の早期実現を目指している。『Whole Product構想』とは、商業用不動産業界における複数の業務領域・バリューチェーンを横断する共通データ基盤の構築と、相互に関連し合い使い勝手が向上する複数プロダクトの提供を目指す、これまでにないまったく新しい画期的なサービスだという。
齋藤氏は、「商業用不動産の網羅的で新鮮なデータベースの構築とともに、当社独自の開発力と推進力によって『Whole Product構想』の実現に向け、物件売買領域、物件賃貸領域、経営、ファイナンス領域など各業務領域をサポートする個別サービスの開発、提供のスピードを加速させていきたいと考えています」と展望を述べる。
齋藤 文也
株式会社estie
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