(※画像はイメージです/PIXTA)

米国に比べ、5年遅れている日本の不動産業界DX。現状を打開すべく、日本でも不動産とテクノロジーを掛け合わせた「不動産テック」を推進する企業が増えつつあります。そこで本記事では、業界のリーディングカンパニーであるリーウェイズ株式会社の代表取締役社長・巻口成憲氏による業界の近況解説とともに、同社をはじめとする、いま注目すべき「不動産テック企業」を4社紹介していきます。※2023年6月11日更新

家具を3DCGで再現する「株式会社HOJUNDO」

株式会社HOJUNDOは2021年設立のインテリア家具販売のベンチャー。ソファやチェアに特化したECサイトを運営してきたが、2022年11月から新たにバーチャルホームステージング・VR・CGグラフィックデザインサービス『adsparkk(アドスパーク)』の提供を始めた。

 

入居前に家具の配置をシミュレートできる『adsparkk』

サービス名の『adsparkk』は、「add」(加える、付け足す)と、「spark」(活気、火花)を組み合わせた造語で、スマホやデジカメで手軽に撮影した写真を最先端の3DCGを駆使し、膨大な不動産物件のなかで、ひと際輝く物件づくりをサポートする。

 

創業者の遠藤康平社長は、新規ビジネスについて次のように説明する。

 

コロナ禍で在宅ワークの普及に対応するため、ソファやチェアなどを中心とした家具のECサイト運営をメインとして会社を立ち上げました。

 

その後、実際に家具を搬出入・配置をするホームステージングサービスを展開していましたが、不動産物件内を養生して家具を設置するのは体力的にも時間やコスト面などからも継続が難しいと判断。別の解決策を模索するなかで、3DCG技術を用いて手軽に不動産の持つ魅力を引き出すバーチャルホームステージングの可能性に着目しました

 

バーチャルホームステージング 事例写真出所:HOJUNDO株式会社

 

実際、コロナ禍で不動産の内覧を実地で行う機会が減る一方で、オンラインで物件の写真や動画をきっかけに契約につながるケースが増加。顧客の約7割は不動産売買企業で、約3割は不動産オーナーからの依頼や、リフォーム会社がリフォーム後の室内の写真をバーチャルで紹介したいといった案件も増えているという。

 

『adsparkk』は主に3つの特徴がある。

 

①業界最速の納期2日で、高品質なホームステージングの提供

②物件ごとに設定したペルソナに基づいたステージングの提案

③インテリアのテイストや配置などを細かく再現する

 

たとえばペルソナの設定では、1Kの物件に家族が住むことは基本的にありませんので、家族向けのインテリアを設置してもイメージがわきません。その物件に住んでほしいターゲット層を事前にヒアリングして、それを反映したインテリアを提供しています。それにより、内覧しなくてもより理想の生活イメージがわき、失敗しない物件選びが可能になります

 

インテリアのテイストについては、家具・インテリアを4種類(北欧・ナチュラル・インダストリアル・モダン)用意し、顧客の希望するスタイルに合わせて家具を設置する。

 

そのほか、入居中の不動産で売却を希望する物件については、物件内の家具・インテリアのモノ消し加工を実施し、その後にバーチャルホームステージングすることも可能だ。

 

株式会社HOJUNDOの今後の展開

売り上げは少しずつ着実に増えていますが、日本ではバーチャルホームステージングのサービス自体の認知度が低いのが課題です。欧米では当たり前のサービスになっていますから、当社をはじめ業界としても普及活動に取り組んでいくことが重要だと考えています

 

 

遠藤 康平

株式会社HOJUNDO

 

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