法律で定められている「遺言」の効力
「遺言」とは、生前に財産の処分方法などについて表明した意思を、自分の死後
に実現させるための制度です。遺言をするためには口頭で伝えたり、録音・録
画では足らず、法に則った書面を作成する必要があります。これを「遺言書」と
いいます。
法律上、遺言ができることは限定されており、主なものは次の通りです。
【図表1】遺言ができること
「遺言」を書くべき人とは?
遺言は残された家族が迷ったり、もめたりすることを防ぎます。亡くなった
本人の意思がはっきりしていれば、もめごとの大半は防止できるでしょう。
遺言を書いたほうがよい人は次の通りです。
●事実婚(内縁関係)の人……遺言がないと、内縁の配偶者には遺産を引き継ぐ
権利がない。
●子どもがいない人……配偶者に確実に財産を相続させたいときは遺言が必要。
●子どものうち1人だけ財産を多く残したい人……生活が不安定な子ども、病
弱な子ども、障がいのある子どもなどに多く残したい場合。
●前妻との間に子どもがいる人……遺言がないと、後妻が前妻の子どもと話し
合いをしなければならない。離婚者、再婚者は遺言を残そう。
●自分の会社を後継者に引き継ぎたい人……経営に関係のない相続人にも株式
の相続権が発生するため、経営が混乱する危険性がある。
●主要な財産が自宅の土地と建物の人……土地や建物はお金のように簡単に分
けることができないため、自宅を残したいときは対策が必要。
なお、遺言には3つのタイプがあります。
【図表2】 遺言の3つのタイプ