今回は、自分の「葬儀の方法」をイメージするための葬儀の費用や、やり方などについて説明します。※本連載は、行政書士・尾久陽子氏の著書『定年直前から死んだあとまで。お金の手続きがすべてわかる本』(主婦と生活社)の中から一部を抜粋し、元気なうちに準備しておきたい「自分の死後」の手続きについて解説していきます。

時代とともに変化する「葬儀」のスタイルとは?

自分の人生の最後のセレモニーを自分らしく演出するためにいまどきの葬儀のやり方と費用も知っておきましょう。

 

葬儀は人生最後のセレモニー。ひと昔前は、会社関係や友人、近所の方が集まり盛大に告別式が開催されましたが、会葬者の高齢化と地域のお付き合いの変化により、その姿も変わってきました。

 

従前通り、多くの会葬者とともに故人とお別れする「一般葬」のほか、シンプルな「家族葬」、通夜をせずに1日で告別式を行う「一日葬」、自宅や病院から直接火葬場へ遺体を搬送する「直葬」も、今や特別なものではありません。

 

生きているうちに自分の葬儀の希望を明確にしておけば、残された家族も悔いのない葬儀をすることができます。なかなか難しいことですが、最後まで自分らしくいるために、自分の葬儀をイメージしてみましょう。

主に4種類ある「現代の葬儀」

多くの会葬者とともにお別れする「一般葬」
「一般葬」では親の会社、友人、町内会の方々はもちろん、子どもたちの関係者も呼んで葬儀を行います。会葬者が増えるほど、会場費や食事などの費用は増します。想定する人数の1.5倍を準備すると安心でしょう。

 

親族と親しい友人でゆっくりお別れする「家族葬」
家族と親戚、ごく親しい友人のみが参列し、会葬者への挨拶に追われることなく、故人とゆっくりお別れができるのが「家族葬」です。都内の葬儀会社では8割にも達するといわれる家族葬は、現代の葬儀の主流となっています。ただし、後になって、「家族だけでは寂しく、悲しさも増したので、もう少し盛大に送ってあげればよかった…」と後悔する人も中にはいます。

 

通夜をせずに1日で告別式のみを行う「一日葬」
「一日葬」とは、通夜を行わず、1日で告別式と火葬を行う“ワンデープラン”のこと。会場費が1日分ですみ、その分、費用を安く抑えられます。高齢化に伴い、誰しも葬儀に参列する機会が増えるであろう状況下、“小さなお葬式”スタイルは参列者からも受け入れられつつあります。

 

費用は約20万円。超シンプルな葬式「直葬」
自宅や病院から遺体を火葬場に直接搬送し、近親者だけで火葬場で故人とお別れするのが「直葬」です。費用を抑えたい人や故郷で改めて葬儀や納骨を予定している人、海洋葬など散骨を考えている人に向いています。

定年直前から死んだ後まで お金の手続きがすべてわかる本

定年直前から死んだ後まで お金の手続きがすべてわかる本

尾久 陽子

主婦と生活社

定年目前のあなたに贈る、これからのお金の手続きを流れに沿ってまとめた60歳からのマネーガイドブックです。親からの贈与や相続、自分の死後に関することまで、退職後の半生に関わる「お金」の手続きをまとめてご紹介します。…

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