日本のマンションが危ない!「34.8%が修繕積立金不足」の数字より怖い実態と“盲点”になっている「50%超が未加入の保険」

日本のマンションが危ない!「34.8%が修繕積立金不足」の数字より怖い実態と“盲点”になっている「50%超が未加入の保険」
(※画像はイメージです/PIXTA)

昨今、日本では自然災害が激増しています。また、地震も頻発しており、今後30年以内に「南海トラフ巨大地震」が70~80%の確率で発生すると予測されています。そんななかで、わが国のマンションに関する「2つのデータ」をみると、きわめて危険な状態であるといわざるを得ません。本記事で解説します。

「修繕積立金」が慢性的に不足…

自然災害、特に大地震が起きた場合、マンションの基本的な構造部分が損壊する可能性があります。

 

その場合、修築の費用は「修繕積立金」から賄うことが考えられます。しかし、データによれば、修繕積立金で賄いきれないケースが非常に多いことが想定されます。

 

どういうことかというと、国土交通省「平成30年(2018年)度マンション総合調査」の結果によると、修繕積立金が計画よりも不足していると回答した管理組合が34.8%、実に3分の1を超えているのです(同調査報告書P.9参照)。

 

このデータは2018年時点のものであり、昨今はいわゆる「コストプッシュインフレ」のせいで建築資材が高騰していることを考慮すれば、修繕積立金が不足している管理組合の割合は34.8%よりもさらに高くなることが想定されます。

 

また、修繕積立金の算定の基礎となる「長期修繕計画」は、基本的には、経年劣化をカバーする見地から立てられるものです。そもそも、大規模地震の被害を想定したものではありません。

 

このことからすれば、もしも、マンションが大地震に見舞われた場合、修繕積立金では到底賄えないケースは非常に多くなることが想定されます。

修繕積立金の不足を補うには「地震保険」

そこで、マンションが大地震で損壊した場合の修繕費用の不足をカバーする手段として考えられるのが「地震保険」を「共用部分」にかけることです。

 

マンションは、入居者が居住する「専有部分」と、エントランス、ロビー、廊下、階段、エレベーター等の「共用部分」とに分かれます。

 

このうち、「専有部分」については、入居者が個別に地震保険に加入できます(厳密には、火災保険の特約として付保することになります)。

 

これに対し、共用部分は入居者により組織される「管理組合」の所有・管理に属するので、管理組合名義で別途、保険加入する必要があるのです。

 

地震保険は、地震保険の保険金額の上限は、火災保険で設定されている保険金額の50%です。

 

損害を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階に分け、それらの段階ごとに受け取れる額が設定されています(【図表1】)。

 

日本損害保険協会「地震保険特設サイト」より
【図表1】地震保険の補償内容(建物のみ) 日本損害保険協会「地震保険特設サイト」より
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